第2話
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2日に1話投稿の予定ですので手が空いた時にでも読んでください。
とりあえず外に出てみよう。自分の居場所が分からないのは不安だしな。外はどっちだ?光は入ってきているようで、そんな遠くだとも思えないし、外に出てみるか。周りを確認すると6畳ぐらいの部屋になっている。扉なんてものはないが入口が狭くなっているし部屋で良いだろう。本も一応持っていこう。部屋から出ると通路が伸びていてそこを歩きながら、よく土が崩れないな、などと考えていると30畳ぐらいの大部屋に出た。
「おぉ、すごいな。」
人が4人は悠々と通れるような場所から光がその空間に広がり土と岩に反射し、鍾乳洞を思い出させたが、そんな言葉しか出なかった。光が入って来ている場所に行くと周りは草原に囲まれ、少し遠くには街らしきものがうっすらと見え、さらにその後ろには山が連なっている。あの街まで行ってみるか。言葉が通じるかは分からないが何もしないよりはましだろう。
おかしい、外に出られない。なんでだ。この本が悪いのか?本を足元に置きもう一度外に出ようとするがやっぱり出られない。空気中に壁のようなものがあり外に出られない。やばい、やばい、やばい。そう思いつつ走って壁に体当たりをし、出ようとするが壁に肩をぶつけて痣ができただけだった。
「クソがぁぁぁ!」
叫んでも誰にも聞こえないのは分かっていたが叫ぶしかなかった。大部屋に自分の声が反響し、絶望を感じていると魔法陣が光った時のことを思い出してしまった。【この本の前の持ち主は死んだ。】だと。こんなところに閉じ込められて死ぬのか?そんなことあって良いわけない。まだ俺は何もしてないんだぞ。落ち着け、何か助かる方法があるはず。何か見落としてないか?何か。
【お前は何を目指し、何を行う?】って言っていたな。こんなところに閉じ込めるだけならそんなことは言わないはずだ。もう一度さっきの本を見直してみるか。読めない字でも何か変わっているかもしれない。書かれていたものが光ったりするぐらいだ、文字が増えていたりいきなり読めるようになったりしてもおかしくない。頼む、何か変わっていてくれ。
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