石造建築
石材の加工を初めて3日ほど経過した、あまり寝ていないな。
途中で何度か石材が切れそうになったから、何度も回収をお願いしていた。
そして、ようやく家を建てられるくらいの石材を加工する事が出来た。
「ふぅ、ようやく完成だ」
これだけの石材を加工するのは本当にしんどい物だな。
「よし、じゃあ、家を建てるか」
「兄ちゃん、無理しすぎだよ、あまり寝てないんでしょ? 休んだら?」
「いや、大丈夫だ、出来るだけ速く完成させないといけないからな」
「兄ちゃん」
結局俺は安希の忠告を無視して、そのまま家造りを強行した。
石材の家を建てるのはこれが中々しんどい、木材とは違って難しい物だな。
木材と違って殆ど同じ様な模様だからたまに距離感が変になってクラッとなる位だ。
「えっと、一応木材も使うか、石しかなかったら変わり映えがしないしな」
木材はまだ加工している奴が残っている、前はちょっとやり過ぎたかなと思ったがな。
今では沢山加工してよかったな、と思っている、やっぱり材料は多い方が良いな。
それから1週間ほど経過した、家は3分の1位は完成して順調だ。
「はぁ・・・よし、あと3分の2だ・・・う」
「兄ちゃん!」
流石に俺も限界のようだ・・・うぅ、流石に1週間総合して3時間しか寝てないのは異常か。
あぁ、頭が痛い、それに、何だか頭に柔らかい物を感じる、病気かな。
「ん、あぁ、安希の胸か」
「ん? く、くぅ・・・この馬鹿!」
「がふ!」
心の中で思ったつもりが口に出ていたようだ、俺は安希に思いっきりぶん殴られた。
「あぁ、兄ちゃん! ごめん! 兄ちゃん! え、ちょ、起きてよ! ねえ!」
俺の意識はその一撃で完全に吹っ飛んでしまった、何だか安希の声が聞える。
「・・・・・・」
「兄ちゃん、あれから3日経つけど起きない・・・」
「大丈夫なんでしょうか、やっぱり安希さんが全力で殴ったから」
「そんなわけ無い! た、確かに手加減を忘れたような気がするけど」
「良いですか? 安希さんはピッケルで石を粉砕できるくらいの怪力なんですよ?」
あぁ、そういえば安希って蹴りで木を折れるくらい怪力だったな。
そんな奴の全力の一撃を受けたらそりゃあ死ぬよな・・・
と言うか、俺って生きてるんだろうか。
目を開けようとしても開かないし、意識があるって事は生きてるんだろうが・・・
「く、くぅ・・・」
そして、何度かチャレンジして、ようやく目が開いた。
「兄ちゃん!」
「彰さん! よかった、生きてたんですね!」
「うぅ、ごめん、やり過ぎたよ・・・」
目が開いて最初に入ってきたのは2人の顔だった、ずっと看病してくれてたんだろうな。
しかし、本当に俺はよくあの一撃を食らって生きてたもんだ、死んでも不思議は無かったろうに。
「あぁ、本当によく生きてたよな」
「ごめん、その、つい本気の一撃を叩き込んじゃって」
「お前の本気は規格外なんだ、自覚してくれ、でも、俺も悪かった、ごめんな」
「良いよ、うん」
「じゃ、俺も急いで起きて家を建てないと」
俺がそう呟きながら立とうとしたら、安希が俺を押さえつけた。
「何だよ、立てないだろ」
「駄目だよ、まだ兄ちゃんは本調子じゃ無いんだから、休んでいないと」
「でも、速く完成させたいし」
「駄目だって、兄ちゃんにもしもの事があったら」
そうだな、今この状況で家を建てたり、物を作れるのは俺だけだからな。
もしも俺がぶっ倒れたら誰も家を建てられなくなる、うん、少しは自分の事も考えるか。
「分かったじゃあ、休んでおくよ」
「うん、そうして、少なくとも今日1日はね」
「分かった」
そして、俺は安希と佐奈に言われたとおり、今日はゆっくりと休むことにした。
「兄ちゃん、ご飯が出来たよ」
「あぁ、ありがとうな」
「はい、私は向こうで食べておくから」
「あぁ、分かった」
そう言い、安希はリビングの方に戻っていった、そして、同時に佐奈がこっちにやってきた。
「どうしたんだ?」
「いえ、ご飯を食べさせてあげようと思いまして」
「はぁ? 自分で食べれるぞ?」
「意識が飛んで落としたら大変ですから」
今は意識はハッキリしているし、そんな心配は無いと思うが、まぁ、確かに熱いのがこぼれるのは困る。
「うーん、分かった、じゃあ頼むが、良いか? こぼすなよ?」
「大丈夫ですよ」
そして、俺は佐奈に飯を食わせてもらった、結構美味しいな。
そういえば、こんな風に誰かに食わせてもらうのは風邪で寝込んだとき以来だな。
そん時は確か母さんが食わせてくれたんだっけな、うん、懐かしいような気がする。
そして、俺は佐奈に食べさせてもらい、飯を完食した。
「うん、美味しかった、ありがとうな」
「いえ、これ位しか出来ませんから、それじゃあ、食器を洗ってきますね」
「あぁ、分かった」
そして、佐奈は食器を持って、台所に行った。
何だか普通に家に居るみたいだな。
そして、その後は特に何事も無く、ぐっすりと朝まで眠った。
その後は何事も無く、朝になった。
「よし、よく寝たぜ、じゃあ、これから建築を再開するかな」
「に、兄ちゃん、私も手伝うよ」
「ん、分かった、じゃあ、俺の指示通りにやってくれ」
「うん」
そして、その後は安希や佐奈にちゃんと休みながらやってと言われながら2ヶ月掛けて家を完成させた。
木造の方は1ヶ月で出来たのにな、やっぱり石造りは時間がかかるな。
「よし、家が出来たな」
「はい、立派ですね」
「うん、これで住民が増えるね」
そして、俺達はこの家の中に入っていった、さて、どんな子が居るんだろうな。




