我が家の完成
無人の異世界に飛ばされて、もう1週間ほど経過した。
俺は安希と協力して、ようやく家を建てれるほどの木材が集まった。
石材も多少は集まったが、そこまで補強は出来ないだろう。
「さて、釘も無い、使えるのはこのナイフだけ、面倒な作業になりそうだ」
「あはは・・・そうだね」
俺は家を建てるのは初めてだ、しかし、何故か作り方が分かった。
これも能力の影響なんだろう、釘が無い状態で作る方法も分かる。
便利な能力だ、でも、これを1人でやるのは非常にしんどい。
なので、安希にも手伝ってもらうことにした。
「良いか? 多少の食料が見つかったら戻って手伝ってくれ」
「分かったよ、1人じゃ厳しいもんね」
「あぁ、ま、2人でも厳しいだろうが、1人よりはマシだろう」
「だね」
そして、家を作るのに取りかかろうとしたときだった。
女神さんがやってきてた。
「これから家を作るんですね」
「あぁ、そうだ」
「では、これは手助けです、考えてみればこんな状態では家なんて建てれませんよね」
そう言うと、女神さんは俺に工具一式と建築用の材料を渡してきた。
材料と言っても鏝という壁やらを塗る道具や、トンカチの様な釘を打つ物などで。
石材とか木材は貰えなかった。
「まぁ、確かにありがたいんだけど、材料は貰えないんですか?」
「それは駄目ですね、そこは頑張ってください、でも、道具だけはあげます
あと、大まかの道具を作るために必要な作業台とか」
「はぁ」
そして、一応ある程度の道具を作る作業台を渡して、女神は帰っていった。
それから、家を建築し始めて1ヵ月が経過した、家はようやく完成だ。
「ふぅ、時間がかかったね」
「家を建てたんだ、そりゃあ、時間がかかるだろ」
「うん、でも、すごい気分がいいや」
「あぁ、そうだな」
そして、俺と安希はようやく完成した我が家に入り、その景色を見てみた。
内装はかなりぎこちなく、おだてにも綺麗とは言えないが、それでも広さは十分ある。
台所はしっかりと石で造り、火を扱うことも出来るようになっている。
そして、2階、俺達の寝室になる場所だが、扉を開けると、そこに女の子がいた。
「へ? 何だ? 女の子?」
「うん・・・ん? むにゃ」
「眠ってる」
俺達が唖然としていると、何処からか女の人の声が聞えてきた。
「かなり驚いているようですね」
「女神さんか?」
「はい、事情を説明しに来ました」
女神さんの話によると、俺達が家を建てる度にその家に住民を出すとのことだ。
そうして、ゆっくりと街を作っていく、家の素材とかによって出てくる住民も変わり
大工さんや、料理人、ハンター等の職業の人が出てくる。
「それと、1番重要な事ですけど、出てくるのは女の子だけです」
「はぁ!? 何でだよ!?」
「だって、私は女神ですので男の子は出せないんですよ」
・・・マジかよ・・・女しか出せないのか・・・それって住民増えないじゃん。
「お、おい、それだと住民が増えないだろ」
「大丈夫です、人間の遺伝子をコピーして増える魔物もいますし」
「はぁ? どういうことだ?」
「そのままの意味ですよ、相手の髪の毛や肌から遺伝子を取って人に変化する魔物です」
それって、魔物人間が増えるって事だよな、それ、全然大丈夫じゃ無いじゃないか。
「おい、魔物人間を増やしてどうすんだよ・・・」
「大丈夫です、そうなったら魔物じゃ無くて人間になります完全に!」
何で遺伝子を取ってるんだよ・・・
「ま、あぁ、良いよ、それで家を沢山建てたら帰してくれるんだよね?」
「はい、約束しますよ、あなた方がそれを望むならね」
だったら話は簡単だな、とにかく沢山の家を建てて、街を作れば良いんだな。
最後の一言が妙に気になったが、まぁ、良いだろう。
「じゃあ、簡単だね、兄ちゃん、一緒に街を作ろう!」
「あぁ、そうだな、後聞きたいんだが」
「はい、何でしょう?」
「ここの住民は手伝ってくれるのか?」
「はい、手伝ってくれますよ、それはもう喜んで」
「そうか、じゃあ、安心した」
だとしたら、1番重要なのはまずは資源を集めてくれる住民だな。
こいつがいないと何事も効率が悪い。
「あと、住民達には戦闘能力はありません、その能力だけです」
「と言うと?」
「例えば石炭などの資源を集める住民はそれしか出来ない、もしも魔物に襲われたら為す術も無く
殺されてしまうでしょう」
「はぁ!?」
「そんな感じです、あなた方は色んな事を同時にこなせるスペシャリストですが
彼女達は1つの事しかこなせない様なか弱い存在ですので、考えて指示してくださいね」
マジかよ、だったらやっぱり俺達はしばらくの間休められ無いのか・・・
はぁ、仕方ない、何とかして戦闘要員の住民が出てくる家を建てないと・・・
「あぁ、それと、この本に住民の職業とどうやったら出るかを書きましたので、読んでください」
そして、女神さんは1冊の本を置いて、何処かに行った。
ヤレヤレ、これは、先が思いやられるぜ。




