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無人の異世界開拓記~女の子達と街作り~  作者: オリオン
最終話、考える時間はいくらでもある
33/33

厳しいところは終わった

本を読んでから、俺は1日過し、しっかりと見張りを終わらせた。

そして、そのままの足で俺達は家に戻り、佐奈達に今回の旅のせいかを告げた。

皆は、魔物の本を見付けたと言う事で、かなり喜んでいたが

数を減らすには俺達人間が増えないと行けないわけで、結局状況は変わってないんだよな。


「さて、まぁ、とりあえずだ、俺達の課題は相変わらず変わらないんだよな」

「まぁ、そうだよね、街を作って住民を増やす、それが最優先だもんね」

「でも、住民を増やすって、どうするの?」

「とにかく、家を増やすことだな、それが重要だ」

「・・・うん、よく分からないけど分かった」


さて、とりあえず俺達のやることは変わらないな。


「さてと、それじゃあ、家を建てる為の道具を軽く集めに行くか」

「うん」


魔物の数を減らすのに最も効果的なことが人を増やすことだと分かった以上。

俺達は家を建てることが最も重要な物だろうな。

さてはて、街を作るのに、一体何十年掛かることやら・・・


「さて、とりあえず、最初は大工の家だ、これが最優先だぞ」

「うん、分かった」

「材料はあるから、これで大工の家を建てるとするか、手伝ってくれ」

「任せて」


俺達は住民全体で大工の家を建て始めた。

最初はかなり時間が掛かるだろうと、そう思っていた建築作業だったが

伊久の協力のお陰か、予想に反して、かなりの速度で家が出来ていった。

今まで全員で協力して作っていた時は何ヶ月もかかった建築作業だが。

伊久が新しく参加してくれたお陰で、大工の家は僅か一ヶ月で完成だ。


「まさか、一ヶ月で完成するとは・・・」

「これが・・・大工さんか・・・凄いなぁ・・・」

「見直した? それじゃあ、私は眠るよ」


そう言うと、伊久は自分の家に戻り、眠りだした・・・うん、そうだな。

こう言う定期的な休憩が大工のは重要だったりするのかも知れないな。

と言うか、大工だけじゃ無くて、生き物全体的に言えるかな。

働き続ければすぐに倒れるし、やっぱ、休憩は大切だな。


「それじゃあ、俺もちょっくら中を見たら、休むか、皆、お疲れ」

「うん、それじゃあ、料理を作って待っていますね!」

「じゃあ、私は食材を捌いてこよう」

「おらは畑の方を見てくるだよ」


全員、各々がやることを俺達に報告して、散開していった。

一々こんな事を言う必要があるのか疑問だが、まぁ、報告は大切だしな。

そして、俺と安希はとりあえず、その小屋の中に入り、新しい住民を見付けた。

その子は真っ黒く、短い髪型、黄色い目、そして、黒い半袖の服に、濃い紺色のズボン

ズボンはベルトで止められており、そのベルトをはせる場所に、何かトンカチのような

キーホルダーが付いている、頭には何故か鉢巻きのような物をしており、まぁ、大工だなって感じの子だ。


「うぅ・・・あ、あぅ・・・ん? ・・・ん!?」


その子は俺と安希の顔を見て、かなり驚愕したような表情を見せたが

少しして、すぐに落ち着いて、ゆっくりと立ち上がった。


「・・・あ、どうもです、はい・・・」

「あぁ、どうも」

「初めまして!」


その子はやっぱりしばらくの間沈黙して、ぺこりとお辞儀をしたと思ったら、近くの部屋の中に入た。

そして、大きな声で、ここ何処!? と、叫んでいる、多分聞えてないと思ってるんだろうが

もろに聞えている、とりあえず、俺はその部屋の中に入り、事情を説明した後。

この子に佳奈かなと言う名前を付けて、協力して貰うことにした。


「さてと、大工も増えたし、今度から急ピッチで建築行くぞ」

「よし! 頑張るよ!」


そして、その次の日当たりから、俺達は本格的に街作に着手した。

素材の調達は佐奈と華夏に、食料調達は伊美がやってくれることになった。

まぁ、食料調達と行っても、畑の物を調達して貰うだけだが。

そして、俺、安希、伊美、佳奈はひたすらに家を建てる作業だな。

一軒の家に3人全員で協力で、まさかの半月で家を建てることが出来た。

やっぱり、こいつらの能力はかなりの物みたいだな。

1つの事に非常に秀でているだけはある。


「よし」


そして、その日を境に俺達の街建築の速度は急速に上昇した。

素材を集めてくる人材も増えてきたし、大工も多くなってきた。

工業系のそれは一切ないため、電気とかは使えないが

一芸に秀でている人材を的確に使っているためか、そんな物が無かろうとかなりの速度で家が出来る。

当然、食料の消費速度も上昇したが、それに追いつくだけの生産能力も結構備わってきている。

ついでに、その間に自分たちは作られた人間だと言う事がバレて、一時はどうなることかと思ったが

俺がなんとか説得したこともあり、収まった・・・あれは困ったもんだったな。

そして、あの日から2年が経過した・・・もうすでに、この周辺はかなりの広さの街になった。


「ふぅ・・・何か、ようやく街が作れたな・・・」

「そうだね・・・」

「お願いリストの街を作るの所に証明も入ってるし、後一カ所作れば万事解決ってな」


この世界に来て、何年の間必死に家を建てていたのだろうか・・・

だけど、かなりの年月が経過しているはずなのだが、自分たちは一切変化していない。

ここでは俺達は年をとらないのかも知れないな。


「・・・いやぁ、まさか本当に街を作っちゃうとは思ってませんでしたよ・・・」

「女神さん・・・思ってないのにこんな無理難題を?」

「ほら、難易度が高い方が、子どもを作る方に行くと思ってましたから」

「だから、もしも子どもを作ったら、この世界から離れられないじゃないか」

「離れなくても良いんじゃないですか?」

「安希が可愛そうだ」

「・・・だから、安希さんだけを帰す選択肢があったじゃないですか」

「・・・確かにあったね・・・でも、私は兄ちゃんから離れないもん」

「それに、俺自身、安希が居ないと落ち着かないんでね」

「兄ちゃん・・・」

「あらあら、随分と強力なシスコンとブラコンですね、あなた達は何で兄妹として生まれたんですか?」


女神さんがもの凄く呆れた様な表情でそう言い放った・・・なんだよ、シスコンって。


「シスコンじゃ無いんですけど?」

「妹が居ないと落ち着かないって地点で、もう十分シスコンですよ・・・

 ってか、あなた達って、絶対に血が繋がってなければ付き合ってますよね」

「そうかも知れないかも・・・いや! そんなわけ無いし!」


安希は少しだけ顔を逸らし、大きなこえでそう叫んだ。


「まぁ、恥ずかしがっちゃって・・・しかし、私は人間を作れないので、このままだとこの世界は

 もう一回滅んじゃうんですよね」

「し、しれっと怖いことを言ってくれるな・・・」

「なので、あの、1人でも良いので誰かと子どもを授かってくださいよ」

「・・・う、う~む・・・」

「兄ちゃん! 何ちょっと悩んじゃってるの!?」

「い、いや、ほら、ああは言ってもさ、ほら、誰かと幸せな家庭を築くって、良いじゃん?」

「駄目だってばぁ!!」


む、むぅ、安希の奴、少し厳しいな・・・


「まぁ、時間はまだありますし、ゆっくりと考えてくださいな・・・あ、私でも良いですよ?」

「それは駄目だな」

「何でですか!? 女神様との間に子どもを授かるなんてとんでもないですよ!?

 普通に逆玉ですよ!?」

「いや、ほら、だってさ・・・お前さんは、その、なんだ、わがまますぎるし」

「えぇ!? 普通思っても神様にそんな事言っちゃいます!?」

「だって、言わなくてもバレるじゃん、お前、心読めるし」

「確かにそうですけど! ハッキリ言われると傷付いちゃいますよ!」

「じゃあ、お前は何か周りに合わせるのが苦手そうだからな」

「確かにハッキリ言ってませんが・・・ま、まぁ、良いですよ・・・ちゃんと決めちゃってくださいね

 なんなら全員でも良いですよ? 安希ちゃんも含めて」

「なぁ!? 私と兄ちゃんは兄妹なの! そんな事出来ないって!」

「ここに、女神様が居るのです、神様の力でなんとでも出来ちゃうんですよねぇ~」

「ぐ、ぐぅ・・・!」


安希が何かと頭の中で必死に戦っているのがよく分かる。

なんせ、顔を真っ赤にしながら、何か考えてるし。


「まぁ、時間はありますから、決まったら、言ってくださいね~」


女神はそう言うと、再び何処かに消えていった・・・

やっぱり、色々と自分勝手な奴だな。


「く、くぅ・・・」

「安希、何と必死に戦ってるんだよ」

「うっさい! 兄ちゃんのバーカ! ハーレムでも何でも作っちゃえば良いんだぁ!」

「お、おい! 安希!」


安希はそう言うと、軽く半泣きの状態で何処かに走って行った。

俺は急いで安希の後を追いかけた。

そして、安希は俺達が最初に1日を過した洞窟の前に立って、その洞窟を見ている。


「おい、安希・・・どうしてここに?」

「・・・思い出してたの・・・昔を・・・昔は、こんな事になるなんて・・・思わなかったんだ

 異世界に飛ばされて、そこで色んなお家を建てるなんて、想像もしてなかった・・・」

「まぁ、そうだろうよ、そんな事を想定できるような奴は居ないさ」

「そして、まさか自分のこのいらない感情を再確認するとも・・・思わなかったんだ・・・」

「要らない感情?」

「・・・最初は憧れだった、色んな事が出来て、色んな事を知ってて・・・

 色んな事を考えられて、私には、全く理解できないことを言ってて・・・格好良くて・・・

 いっつも、夢見がちな事しか考えられなかった私とは反対で、いつも現実を見てて・・・」

「え? なんだそれ? もしかして、俺の事か?」

「そうだよ、私から見た兄ちゃん・・・もしかしたら、身長が高かったからそう感じるのかも知れないけど」


俺の身長は平均的なんだがな、まぁ、安希からしてみれば、平均でも大きく見えてたんだろう。


「それでね、この世界に連れてこられて・・・色々と変わったんだ

 いつも頼ってばかりだった兄ちゃんに頼って貰えて・・・私、嬉しかった・・・

 私は・・・それだけで良かったのに・・・なのに・・・どうしてかな・・・何で・・・」


安希はそう言うと、上の方をみた・・・どうやら、涙を堪えているようだな。


「・・・いいや、何でも無いよ・・・何でも無い!」


安希はそう言うと、涙を拭き取るような動作をして、俺の方を見た。


「兄ちゃん! 何でも無いの! 私は・・・私は私だから、兄ちゃんに頼って貰えるだけで嬉しいから!」

「安希・・・全く、お前は良い子だよな」

「え?」


俺は安希に歩み寄り、安希を思いっきり抱きしめた。


「に、兄ちゃん?」

「安希、お前はよく頑張った、俺の言う事をいっつも聞いてくれた

 まぁ、たまに言う事を聞いてくれなかったがな」

「うぅ・・・」

「でも、それで良い」

「え?」

「お前はわがままで良いだろう、妹が兄に遠慮する必要は無い、ま、兄も妹に遠慮はしないがな」

「兄ちゃんは・・・やっぱり、馬鹿だよ・・・でも・・・そういう所が・・・大好きだから・・・」

「あはは、そうかそうか、ま、とりあえずだ、お前に涙は似合わないって、お前は

 馬鹿みたいに笑ってるか、馬鹿みたいに暴れてる方が良いって」

「ば、馬鹿なんて・・・言わないでよ、馬鹿」


安希は少し怒ったような素振りを見せながらも、しっかりと笑って見せてくれた。

やっぱり、演技が下手な奴だ、ま、それでも良いんだがな。


「ま、うだうだ言うのは後だ、とりあえず、俺達にはまだやる事がある」

「そうだね、色んな答えは、やることを全部やってからだよ!」

「そうだ、さぁて、2つ目の街、頑張って作るか!」

「うん!」


まだまだ答えは出ないんだが、とりあえず、俺達は目的に向って頑張る方が良いだろう。

今までもそうだったし、のんびりとダラダラと頑張っていくかな。

時間はいくらでもあるし、答えを考える時間も結構あるしな。

今回で最終話となります、かなり強引な締めでしたね、本当はもう少し緩やかに終わらせようかなと

思ったのですけど、正直、同時更新がヤバすぎでした、それに、この作品も緩やかってなると

どうしても、100話越えそうだったんで、流石に難しいと判断し、最終話です。

卒業も控えているこの状況で、それは厳しいですし、同時更新7つは無理がありました!

と言う事で、かなり強引なそれでしたけど、今までどうもありがとうございます!

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