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無人の異世界開拓記~女の子達と街作り~  作者: オリオン
第1章、異世界に飛ばされて
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初めての狩り

焼き魚を堪能した翌日、今日も朝から腹が減っている。

そりゃあ、焼き魚を食べただけだし、満腹にはなってないから当然だろう。


「なぁ、安希、今日も魚を捕りに行くのか?」

「うん、そのつもり、兄ちゃんはどうすんの?」

「俺はロープを作ってみようと思う」

「ロープ? 作れるの?」

「あぁ、近くにツタがあったからな、それを使う」


昨日飯を食い終わった後、少し周りを探索した、その時にツタが生えている場所があった。

正直ロープなんて作ったことが無いから不安だが、ロープが無いとかなり不便だ。


「そうなんだ、じゃあ、私は魚を捕りに行くよ」

「あぁ、分かった、俺の方もある程度の足がかりが出来たら食い物を取ってくる」

「分かった、じゃあ!」


そう言うと、安希は海の方に進んでいった、それにしても、何だか不甲斐ないな。

どうせなら能力を逆にしてくれたらよかったのに、まぁ、良いか、俺は俺に出来ることをするまでだ。


「さて、このツタを取ってと」


俺は目的の場所に着くと、ツタを取った。

結構頑丈で取るのは意外と厳しいもんだな。


「よし、まぁ、こんなもんだろう」


俺がある程度のツタを集めると、近くからがさがさっと言う物音が聞えた。

そして、木の陰から出てきたのは・・・まぁ、猪だった。


「猪!?」

「ふごぉ!」

「うお!」


猪は俺を見るなり一直線に俺の方に走ってきた、これはヤバい、絶対にヤバいって!

俺は一目散にその場から逃げだしたが、いつまでも猪は追っかけてくる!

こうなりゃ、覚悟を決めるしか無い! 一か八かだ! 俺はナイフを取り出した。


「ふごぉ!!」

「てりゃ!」


俺は猪の突進をギリギリで避け、ナイフを猪に突き立てた。


「がごぉ!」

「うわぁ!」


猪はその程度で倒れずに派手に暴れた、俺は突き立てたナイフにしがみつき。

何とか振り落とされないように踏ん張った。


「この、暴れるなぁ!」


俺は地面に足をつき、力一杯後ろにナイフを引いた、そして、猪は動かなくなった。


「はぁ、はぁ」


服は返り血がびっしり付いている、あぁ、これが狩りって奴なんだな。

俺は何とか生き残り、命の大切さを思い知った。


「ふぅ、初めて狩りをしたな・・・ちゃんと食うから恨まないでくれよな」


俺は猪の亡骸を洞窟まで運んだ、これが中々重たくて、運ぶのにかなり苦労した。


「はぁ、はぁ、つ、疲れた」


ようやく洞窟まで引きずって戻ってきた、そして、俺は猪を解体した。

そうしないと食べられない、肉を裂きながら命の尊さを感じた。

そして、食べられないところは仕方ないので少し遠くの場所に埋めることにした。

そうしないと死体が腐って、強く臭うからな。


「さて、後はこの肉を料理しないとな」


猪の食べ方はよく分からないし、道具も無いから直接焼くしか方法は無い。

鍋があれば煮込んだり出来るのかもしれないが、俺は料理は得意じゃ無いからな。

まぁ、複雑な料理は安希に頼むか、いや、考えてみたらあいつもそこまで出来ないな、料理。


「さてと、どうすっかな」


肉を焼いたまでは良いが、安希が帰ってくるまでは食べられない。

一緒に食べないといけないからな、俺はひとまず血を流すために、近くの川行った。


「はぁ、洗濯物も面倒だな」


そんな独り言を呟きながら洗濯物を終わらすと、俺は洞窟に戻り、ロープを編んだ。

意外と難しいが、能力のお陰か、結構簡単にできる。

そして、少しして安希が帰ってきた。


「戻ったよ、兄ちゃん」

「あぁ、戻ったか、今日は意外な収穫があった」

「意外な収穫?」

「あぁ、猪の肉だ」

「え!?」


安希はかなり驚愕していた、まぁ、猪は危険だから止めておこうと行ったのは俺だからな。


「どうしたの?」

「猪に襲われてな、その時に迎撃したんだ」

「よ、よく無事だったね・・・」

「あぁ、自分でも驚いてる」

「兄ちゃん、もしかして、普通に狩りとか出来るんじゃ?」

「かもな」


あまり自信は無いが、意外と出来るかもしれない。

それに、あまり安希にあんな思いはして欲しくないし、安希に狩ってもらうのは魚だけにしてもらおう。


「さて、じゃあ、食おうか」

「うん、そうだね」

「いただきます」

「いただきます」


猪の肉は冷めているが、それでも美味しく感じた。

そして、命の重さって言うのも感じる。

こう言うとは実際に体験しないと分からない物なんだろうな。

そして、食事が終わり、今日は寝ることになった。


「おやすみ」

「あぁ、おやすみ」


今度はどうなるかな、道具を作るのも楽じゃ無いぜ。

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