表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人の異世界開拓記~女の子達と街作り~  作者: オリオン
第3章、窓の必要性
14/33

ブルームーンの夜

青い月の夜、俺達は命を賭けた一夜を過すことになる。

あまり活発に動かない魔物共が活発に動く日。

状況は3体不明、もしかしたら百かもしれないし、それ以上かもしれない。

そんな状況で俺達の勝利条件は1夜の間生き残るだ。


「いつ来るかな?」

「さぁな、だから警戒は解けないな」


月が青くなり、30分が経過した、しかし、魔物はまだ姿を現さない。

こんな状況での沈黙は不安を煽るだけだろう。

でも、警戒を解くことは出来ない。


「来たぞ!」


その沈黙の中、1匹の魔物が姿を現した。

人型だ、まるでゾンビだが、ゾンビは人がいないと発生しないだろう。

ゾンビは死体が蘇った化け物だからな。

でも、この世界には人はいない、俺達くらい。

それ以外の人間は女神さんの父さんが消滅させたらしいし。

じゃあ、あれは何だ? よく分からないから、取りあえずゾンビって事にしておこう。


「・・・どうする?」

「相手の出方を待とう、もしかしたらバレてないかもしれないし」

「そうだね、下手に戦うのは得策じゃ無いか」


俺達はしばらくの間、その魔物の出方をうかがうことにした。

そして、そんな事を思っていると、その魔物が突如大きな鳴き声を発した。


「ぎゅぎゅががぁーーー!」

「何だ!?」


そして、その鳴き声を発すると同時に、こちらに向かって全力で走り始めた。

これは嫌な予感がするぞ。


「くそ!」

「っがぁ!」


俺は急いで弓矢を構え、その化け物の頭を撃ち抜いた。

その一撃で、その魔物は倒れ、消滅したが、周囲から魔物が沸いてきている。


「不味いかもね、もしかして、あの魔物が仲間を呼んだのかも」

「こんな厄介な奴が居るとは・・・く!」

「諦めるなよ、まだ大丈夫だ、扉を最優先で守れ!」

「じゃあ、私が扉から出て戦うよ!」

「馬鹿! それは危ないだろうが!」

「誰かがそうしないといけない、だから私がする! 兄ちゃん、援護を頼むよ!」

「安希!」


安希はそう言い、外に出た。

クソ! もうでてしまったら遅いか! 仕方ない!

俺は2階に上がり、窓を開け、矢を構えた。


「安希! 援護は俺がする! お前の死角の魔物を撃ち抜く! だからお前は正面を仕留めろ!」

「分ったよ!」


そして、俺は安希の死角にいる魔物に、矢を撃ち込んだ。

この矢の出来が良いお陰か、俺が放つ矢は全部魔物を撃ち抜いた。

それなりの距離があるというのにな、それにしても、安希の奴の戦いっぷりも見事だ。


「でりゃぁ!」

「彰! 私は何をすれば良い!?」

「お前は扉が開かれたときに戦ってくれ!」

「分った、もしもの時の保険か」

「そうだ、頼むぞ!」

「任せな!」


それにしても、魔物の数が多い。

矢の本数はそこまで無いって言うのによ。

残り本数は・・・30本か、少な過ぎる!

これだけの数を相手に30本は少ない!


「おりゃぁ! はぁ、はぁ、どれだけいるの!?」

「がぁ!」


下の方から扉が開くような音が聞えた。

不味い、突破されたか!


「私の出番だ! 入ってくるな!」


華夏が侵入してきた魔物を攻撃し、撃破してくれた。

そして、俺はすぐに外を見た、安希の周りに魔物が群がってる。

これを撃ち抜く? いや、正直いくら早くても3体が限界だ!


「安希! 後ろ危ない!」

「くぅ!」

「がぁ!」

「ちぃ!」


俺は安希に攻撃を仕掛けようとした魔物を撃ち抜いた、しかし、また次だ。

クソ! 間に合うか? いや、間に合わせる!

狙いを定める余裕はあまり無い、当れ!


「ぎゃぁ!」

「兄ちゃん、く、てりゃぁ!」


俺が急いで撃った矢は、何とか安希に攻撃を仕掛けようとした魔物を撃ち抜けた。

そして、安希が別の魔物を斬る、これで何とか難はのれたか。

しかし、矢の本数は減った、このままだと俺が息切れする!

それに、安希もかなりしんどそうだ。


「はぁ、はぁ、ま、まだ来るの?」

「安希! 一旦戻れ! 援護する!」

「わ、分った!」


安希は俺の言葉に従い、一旦家に戻ろうと走った。

俺はその帰路の援護射撃だ。

数が多く、援護は厳しいが、出来ないことは無い。


「どっけぇ!」


安希も目の前の魔物を攻撃しながら進んでいる。

でも、側面の攻撃は難しいようで、俺はその魔物の撃破だ。

そして、安希は何とか家の中に戻ってきた。


「はぁ、はぁ、はぁ」

「安希、大丈夫か?」

「うん、何とかね、でも、もうあまり動けないかもしれない」

「そうだろうな、安心して、家の守りは私がする、安希は休んでくれ」

「あ、ありがとう・・・」

「じゃあ、華夏、少しの間頼む、俺は矢を新調しないと」

「兄ちゃん、どうやって作るの?」

「あまり材料は無いが、一応いくつかは作れる」

「でも、何処にあるの?」

「この家の倉庫だ、そこに置いてある、念のために置いていた」

「相変わらず、抜け目が無い奴だ」

「いざという時の避難用でもあるからな、この家は」


そして、俺は奥の倉庫に入り、素材を集めた。

それにしても、意外とこっちの方に置いてあったな。

これだけあれば、結構な数を作れそうだ。

うん、簡単に考えて、これだけあれば100以上は作れるだろう。

だが、そんなに作ってる暇は無い、取りあえず100だな。

それ位ならそこそこの速さで出来る。

そして、しばらく経過した。


「兄ちゃん、そろそろ私も動けるよ」

「よし、分った、こっちも準備完了だ」

「じゃあ、少ししたら行くよ、兄ちゃんも疲れてるでしょ?」

「そうだな、これだけ作ったら流石にしんどい」


そして、100本の矢を用意して、俺は少しだけ体を休めた。

魔物は何体か家に入ってきたが、それは全部華夏が処理してくれた。

1回で大量の魔物が入ってこないのは嬉しいな。

さて、そろそろ始めるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ