表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人の異世界開拓記~女の子達と街作り~  作者: オリオン
第2章、ハンターを求めて
10/33

鉄鉱石の加工

洞窟から沢山の石炭を回収して、家に帰ると、当然、安希に怒鳴られたりした。

しかし、殴ってくる、というのは無かった、そこは良かったな。

そして、俺はその石炭を使い、加工をする事にした。


「あぁ、散々な目に遭った、でも、まぁ、石炭もあるし、鉄鉱石もある」


燃料は十分だ、俺は鉄鉱石から鉄の部分をなんとか掘り出した。

手法や方法は分からなかったため、とりあえず、自分の直感でやったら出来た。

このスキルは本当に便利だ、知識が無くても出来るんだからな。


「ふぅ、さて、次はこの鉄を固めないとな」


鉄を固める手法、それもよく分からない、でも、それっぽい機材はある。

女神さんが俺に渡してくれた機材達だ。

とりあえず、俺は直感でそれっぽい機材を選び、試すことにした。

そして、少しして、その機材を見てみると、鉄がしっかりと固まっている。

インゴットって奴だろう、こう言う形は、すごいな、この機材。


「よし、何だか知らないが、何とか出来た」

「兄ちゃん、晩ご飯で来たよ」

「あぁ、今行く」


俺は鉄のインゴットを近くの机の上に置き、出来たらしい飯を食いに行った。


「うん、これは何だ?」

「何って、身長が伸びやすいって言う、骨を沢山使ったんだよ」

「安希、止めておけ、それはヤバいから」


安希は魚の皿には魚の骨だけが乗っかっていた。

こんなの食えるわけが無い、いや、骨は食えるが、骨だけって・・・


「止めないで、兄ちゃん、私は身長を大きくしたいの、せめて140cm位にはなりたいの」

「たかが3㎝じゃ無いか、止めておけ、酷い目に遭うぞ」

「兄ちゃんにとってはたかがでも! 私にとっては大きいの! いただきます!」


そう言うと、安希は魚の骨を口に入れた。

少しの間は食べていたが、その後、口の動きが止まった。


「どうした?」

「む・・・むぐぐぅ・・・」


そして、安希は席を立ち、そこかに走って行った。

うん、多分口の中の物を出しに行ったんだろうな。

ティッシュとかは無いから外に出しに行ったって所だろう。

それから少しして、落胆した表情の安希が帰ってきた。


「どうだった?」

「駄目だった・・・歯茎に入ってすごく痛かった」

「あるよな、魚の骨って、歯茎に入ることが」

「うん・・・これじゃあ、身長が高くならない」


もう手遅れの何じゃ無いか? と言おうと思ったが、殴られるのが目に見えている。

まぁ、とりあえず、安希の苦労が報われることは無いだろうな、うん。


「兄ちゃんは背があるのに、なんで私はこんなに小さいんだろう」

「安希さんはそのままの方が可愛いですよ」

「むぅ、佐奈は私の目標よりあるんでしょ?」

「確か143cmでしたね」

「うぅ・・・やっぱりだ・・・」


安希とは6cmも違うのか、まぁ、ぱっと見で佐奈の方が大きいのは分かるがな。

それでも安希は怒らないんだな。


「なぁ、安希はどれ位の身長の奴が怒りの対象なんだ?」

「145cm越えてたら・・・羨ましいよ・・・」

「じゃあ、私はまだ大丈夫なんですね」

「そうだね、でも143cmも羨ましいや・・・」


そんな会話をしながら、俺達は飯を食った。

魚がかなりあったが、全部骨が無く、すごく食べやすかったな。

安希の奴、いちいち全員の魚から骨を抜いて食おうとしたのか。

まぁ、その結果として、俺達は食べやすい魚を食えるんだがな。


「ふぅ、ごちそうさま」

「ごちそうさま」

「よし、じゃあ、俺は鉄鉱石の加工をしてくるから」

「うん、分かったよ」


そして、俺は作業部屋に戻った。

さて、鉄のインゴットも出来た、後はとりあえず、これを増やすか。

俺はひたすらにインゴットを加工した、だが、精々5つ位しか出来なかったな。

そこまで鉄鉱石を取れたわけじゃ無いし、仕方ないがな。


「さてと、次はこれを加工しないとな」


今度は加工だ、と言うか、なんで俺は独り言を・・・まぁ、昔からの癖だし、仕方ないが。

しかしだ、何を作るか・・・俺がそんな事を考えていると、扉が開いた。


「兄ちゃん、今良い?」

「安希? どうしたんだ?」

「実はお願いしたいことがあるんだよ」

「お願い? 何だ?」


俺は安希のお願いを聞くことにした。


「実はね、包丁を作って欲しいんだ、出来れば刀とかも」

「そうだな、包丁は欲しいし、刀も使えるだろう、よし、分かった、作ってみる」

「本当!? ありがとう! 石の包丁は斬りにくくてさ」

「あぁ、分かった」


さて、包丁と刀か、刀は鉄のインゴットを3つくらいだな、まずは固めないと。

とりあえず、この機材で試してみるか、俺はインゴットを3つ機材の中に入れた。

さて、その間に包丁とナイフを作るかな、これ位のサイズならインゴットを1本で出来るはずだ。

加工の仕方は、確かこのインゴットを平たくして、その後、熱で柔らかくする。

そして、その間に何度か形を整え、水で急速に冷やす。

俺はその手順で何度か繰り返し、包丁を作った。


「ふぅ、出来た、結構上手くいったな、にしても、ここは熱い、まぁ、仕方ないが」

「兄ちゃん、お風呂を沸かしたよ!」

「あぁ、分かった、後、安希! 包丁出来たぞ!」

「本当!?」


外からドタドタという足音が聞えてきた。

そして、扉が開いた。


「包丁は?」

「あぁ、これだ」


俺は完成した包丁を指さした。


「へぇ、これが兄ちゃんが作った包丁か~、上手いね」

「ありがとうな、後、刀の方はまだ待っててくれ、鞘も作りたいし」

「分かったよ」


安希は包丁を持って、部屋から出て行った。

行き先はどうやら台所のようだ。

安希は保存していた魚を取りだした。


「試し切りか?」

「うん、どれだけ切れるか知りたいし」


そして、安希は魚を切った、魚はすんなりと切れた。

うん、我ながら良い出来だ、これだけ簡単に切れるんだからな。


「おぉ、これは楽だね」

「あぁ、そうだな、佐奈にもちゃんと言えよ」

「分かってるよ」


そして、俺は風呂に入ろうとした、そこには紗菜の姿があった。


「ふぇ? あ、彰さん、お風呂ですか?」

「あ、あぁ、そのつもりだが・・・後で入るよ」

「はぁ、そうですか」


まさか佐奈が先に入ろうとしていたとはな、正直びくっとした。

あはは・・・安希の裸くらいしか見たことなかったんだがな・・・

はぁ、ま、まぁ、良い、ナイフの加工をしようかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ