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無人の異世界開拓記~女の子達と街作り~  作者: オリオン
第1章、異世界に飛ばされて
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異世界に飛ばされた

いつも以上に退屈な昼下がり、俺は妹とのんびりとテレビを見ていた。

そのテレビはもしも無人島に1つ何かを持って行けたらあなたはどうする? と言う物だ。


「兄ちゃんはどうする? もしも無人島に1つだけ持って行けたら」

「んー・・・ありきたりにサバイバルナイフかな、利便性高そうだし、そういうお前は?」

「そうだなー、もしそうなったら兄ちゃんを持って行くよ」

「おい、俺は道具か?」

「違うよ、正直私1人で生き残れる気がしないし」


まぁ、そうだな、安希あきは1人で生き残れるような奴じゃないしな。

確かに身体能力は高いが、それしか無いからな。


「そうだな、確かにお前は無理だな」

「自分で言ったけど、少しくらいは否定して欲しかった」

あきら! 安希! ご飯よ!」


母さんの声だ、どうやら飯が出来たようだな。


「はーい」


俺と安希は一緒に立ち上がり、居間に進もうとしたとき、大きな地震が起こった。


「うわ! な、何だ!?」


俺は近くにいた安希を抱き抱え、その場に伏せた、すると揺れが更に酷くなった。


「安希! 机に隠れよう!」

「う、うん!」


俺は安希を抱え、一緒に机に隠れようとしたとき、一瞬ぴかっと目の前が光った。


「うぅ、何だ!?」

「ま、まぶしい!」


俺達はその光に包まれた、そして、その光が消えると、そこは家では無い何処かの草原だった。


「な、何だ? ここは何処だ」


だだっ広い草原、近くにはかなりの木々が覆い茂っている小さな森。

そして、近くにはかなり大きな海があったり、正面には大きな山がある。

だが。これ以上はこの場所では認識できなかった、当然まだ広いんだろうがな。


「これは・・・どういう事? 兄ちゃん」

「俺に聞くな、分かるわけ無いだろ」


俺もパニクっているし状況も全く把握できない。


「あぁ、それは私が説明しましょう」

「はぁ!?」


今度は上空から女の人の声が聞えてきた。


「なんだあんたは!?」

「私は女神です、あなた達をこの世界に呼び寄せました」

「あんたのせいか!? 何でこんなことを!?」

「えっと、説明しますので、そう熱くならないでください」


俺は状況が状況なのでかなり噛みついた態度を取ってしまった。

女神は俺をなだめ、説明を開始した。


「え-、こほん、実はですね、この世界は異世界なのです、この世界は昔に大きな争いがあったのです

 とんでもなく大きな規模で、この世界を管理していた私の父は心を痛みました」

「ふむ」

「それで、私の父は人間を歴史ごと消滅させちゃったんですよ」

「はぁ!?」


心を痛ませた神が何の躊躇いも無く人間を歴史ごと消滅させるとかどうなってんだよ!?


「な、へ? どういうこと?」

「ですけど、人間がいなくなった世界に魔物も湧き始めまして、人間がやっぱり必要、

 と言う結論になったのですが、私達はそんなに沢山の人間を同時に出せません」


人間を一気に消滅させる力があるのに、新しく出す力は無いと、どうなってんだよ。


「そこで、あなた方に街を作ってもらって、人間の歴史を再開させようかなと」

「一気に飛びすぎだ!」

「ほら、人間の歴史は人間の手で作らないといけませんし、それであなた達を呼びました」

「すごい身勝手じゃん!」

「あはは、すみません、でも、代わりにあなた方に特殊な力を授けました」

「はぁ!?」

「だって、能力も無い人間を呼んで街を作らすなんてあり得ないじゃ無いですか」

「どっちにせよありえん!」


女神は俺達の意見を軽く笑い流した。

そして、俺達の能力の説明を勝手に始めた。

俺は材料があれば何でも作れる能力だそうだ、例えば木があれば槍が出来たりする。

安希は高い身体能力と道具があれば色んな物を壊すことが出来る力だ。


「そして、おまけにこれをあげます」


女神は俺にナイフを渡した、サバイバルナイフだ。


「なんでナイフを?」

「だって、もしも無人島に何かを持ってくれるなら何を持ってくる? と言う奴で

 ナイフって行ってましたよね? そっちの子は兄ちゃんって」

「え? もしかして、その時言った事を?」

「はい、本当は妹さんだけだの予定でしたけど、妹さんがあなたを連れて行くって言ってたから一緒に」

「え? 兄ちゃんが巻き込まれたのは私のせい?」

「まぁ、そうなりますね、では、頑張ってくださいね」

「あ! おい!」


女神はそう言い残すと姿を消した何処までも身勝手な奴だ。

色々と質問したいことがあるのに、まず、魔物って何だ?

ヤバい、不安がヤバい、絶対にヤバい奴だろ、魔物って。


「兄ちゃん! 何か来てる!」

「はぁ? 何言って・・・」


安希が指さした方向を見てみると、確かになんかがこっちに来ている。

え? 何? あのウネウネしたの・・・触手? いや、そんなわけが無い・・・

触手があんなにある生き物がこの世にいるわけがない、イカでも10本だぞ?

あの触手は明らかに10本以上ある、でも、確実にヤバい!


「に、逃げるぞ!」

「分かってるよ!」


触手をウネウネさせている化け物は周りに何か汁を飛ばしながら追いかけてきている

てか、汁が落ちた場所の植物が腐っているんだけど!? 絶対にヤバい!

あれは絶対に毒だ! 俺達は必死に走って逃げた。

必死に頑張って逃げた結果、触手の化け物をまくことに成功した。


「はぁ、はぁ、はぁ」

「はぁ、はぁ、兄ちゃん、大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ・・・安希は?」

「私も大丈夫」


俺達はその場に座り、大きく安堵の息を吐いた。

あんな化け物がいるところにほぼ丸腰で出されるって悲惨だ。


「・・・とりあえず、住む場所を探すか」

「住める場所なんてあるの?」

「・・・な、無かったら作るしかないよな・・・」

「出来るの?」

「分からん」


女神とか言う奴は俺には道具さえあれば何でも作れる力を授けたと言ったが実感は無い。

しかし、こんな極限の状態だったら例え出来なくともやるしか無い。

とりあえず、何をするにも木を切らないといけないな。


「安希、この木を切れたりするか?」

「さぁ? でも、やってみるよ」


安希は木の前に立ち、精神を集中させた、そして、少し経ち、安希は目を開けた。


「てりゃぁ!」


安希は目の前の木を思いっきり蹴った、普通ならこの程度で折れるわけは無いが

木はなんと折れた、すごい力だな、あの女神さんが言ってたことは本当だったか。


「すごい、私いつの間にこんな力を・・・」

「確かにすごいな、じゃあ、これを削り出すか」

「あまり悔しそうじゃ無いね兄ちゃん、私は兄ちゃんよりも力があるんだよ?」

「そうだな、でも、悔しがってる暇は無いだろ、今は生きる場所を作らないといけないし」

「そ、それもそうだね・・・」


俺は木を削りだし、木材を作った、これを上手いことやって、何とか木刀を作れた。


「ほら」

「え? これは?」

「木刀だ、護身用の武器ぐらいあった方が良いだろ」

「そうかもね」


その後、俺達は近くに洞窟を見つけ、そこに落ちていた沢山の石を拾い集め何とか住めるように掃除した

後は木の葉っぱを集めて、ベットのようにして、寝床も確保することが出来た。


「ふぅ、これで寝床も確保か」

「兄ちゃん、なんだか暗い」


意外と掃除とか寝床を作る事で時間を食ったな、周囲は結構暗くなっている。


「そうだな、じゃあ、木の枝を集めてきてくれ、俺は燃えやすい物を探す」

「分かった」


俺と安希は一旦別れた、安希には木の枝を集めてもらい、俺は燃えやすい枯れ葉を集めた。

これが意外と無く、結構時間を食った、しかし、一応集めることは出来た。


「よし、こんな物か」


俺は集める物を集め、洞窟に戻った、安希の方も木の枝を集めることが出来たようで

沢山の木の枝を抱えていた。


「これでいい?」

「あぁ、十分すぎるくらいだ」

「それで、これをどうするの?」

「あぁ、これをこうするんだ」


俺は石を周りに囲い、その中に木の枝を入れた。

そして、燃えやすい物に火起こし器で火を付けた。

火起こし器は意外と簡単にできる、点けるのは苦労するはずだがこれが結構簡単にできた。

多分これは女神さんが言ってた能力の1つなんだろうな。


「おぉ! 火が点いたね」

「普通はもっと時間がかかるだろうが、能力のお陰だろうな」

「じゃあ、今日はもう寝ようか」

「あぁ、そうだな」


俺と安希は安易ベッドで寝た。

それにしても、まさか異世界に連れてこられるとは、それも無人の世界。

こんな目に遭うなんて、誰も想像できないだろうな・・・母さんは無事だろうか

あの地震で家が崩れてなければ良いが・・・不安は多いが、今は生き残ることを考えないとな。

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