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アイアンマンソウル  作者: バラクーダ高橋
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遡る事、30年前

30年ほど前、この土地より西に太坂という土地があり、そこに福部 全蔵という若い忍びがいた。

忍びの技を極め尽くした彼は、あっという間に有名人になる予定だったので、手始めにこの辺で有望株だったナンチャラとかいう大名へ仕官するべく、その城へ向かっていた。


「ワイの腕前を一目見せりゃあ誰しもが感動し、涙を流すに違いない。”おぬし、お願いだからウチに来てくれぬか!”な~んて言われちまったりしてからに!がははははははははは…ホンマに!」

彼は脳天気、そしてポジティブだった。


一山越えた頃だろうか、合戦に丁度良さそうなだだっ広い原っぱにでた福部 全蔵。

ここを越えて少し行った先に目当ての殿様がおられるわけで、彼はもう嬉しくなっちゃって、ものの全速力で原っぱを駆けた。

シュタタタタタタタタタタタタタタタ!

しばらく走った頃だろうか、南の空に緑色の物体が浮かんでいる事に気付く。

「あん?なんじゃありゃあ???」福部は立ち止まり、思いっきり首を傾げた。


その物体は少しづつではあるが、自分に近づいてきているように感じた。

あまりの珍妙さに、かれは得意の手裏剣を投げてみた。

シュルルルルルルルルルルル!……グサッ

獲物めがけてうなりを上げた手裏剣だったが、届く遙か前にあえなく失速し地面にめり込んだ。

「ぬううう!こうなったら!」福部は様子を伺う意味で、敢えてここは身を隠そうと目論み、忍びの七つ道具の一つを取り出した。

バサッ!「フッフッフッフ雲隠れの術や。近づいたが最後、一瞬であの世行きやでえ~」ほくそ笑みながら隠れる福部。

だが次の一瞬、ギャン!という音と共に布の下からでも感じられた日の光が遮断され、まるで軒下にいるような重苦しい暗がりが福部を包んだ。

「んああ!?なんやねんこれ……!」

恐る恐る布をめくり、ゆっくりと顔を出し外を見てみる。

すると、さっきまで手裏剣も届かない位置に浮いていた緑色の物体が、寝そべる福部の真上に迫っていたのだ。

「ど、どないやねん……」

驚きのあまり体から力が抜けてしまった福部。それはあまりにもデカい、鉄で出来たスイカのようだった。


「スイカの化けもんや……!スイカの親分がスイカ嫌いのワイを殺りにきたんや!」


忍びの天才福部は、速攻で死を覚悟した。

圧倒的な質量とスピード、それに目的不明の巨大スイカ。これだけで彼の心を折るには十分すぎる。

「お師さんよ、明日が見えへんわ……」


これより彼は殺されはせずとも、あまりに過酷な自らの運命を呪うこととなる。


時を同じくして、名家の大名の息子である齢10ほどの少年が、東の町で家出をしたと大騒ぎになっていたそうな…

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