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アイアンマンソウル  作者: バラクーダ高橋
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パンダさん

「殿、いったいどこへ向かっておられる…?」

あまりにも見慣れない景色に一抹の不安を抱えながら、家来達は殿を追った。

しばらく走り日も沈みかけた頃、山の中腹辺りで少し開けた場所へ出た。

「おし、てめえら野営の準備だ」突然殿が言った。

散歩を終えたら帰るつもりだった家来達に緊張が走る。

「いや急になに言ってんだ、このアホはよ?(でも怖くて言えない)」全員がそのように思っていた。


「申し訳ありません殿。いつも通りの散歩と思い、あいにく野営の準備を整えてきておりませぬ故…」

前の不遜から意見しづらい感じで尻込む家来Bに気を使って、一番若い家来Jがブッ込んだ。

『うわっ知~らね。若気の至りだかなんだか知らないが、ヤラれちまうなコリャ。おれみたいに…フフッフフフ……ウフッフフフウウハハハハワハハハハハハ!』  ~家来Bの心情LIVE中継より一部抜粋~

今まで最も近くに侍り殿に進言し続けてきた自負、そして根っからの腹黒さから、家来Bは何だか妙な気分。


ところが殿はというと

「ああ、そうかい。じゃあてめえらは帰って良しだ」と、珍しく冷静な答え。

「!? 殿、なりませぬぞ。このような所に我が殿一人にするなど断じて許されませぬぞ!」

思わず家来Bが叫ぶ。

「ほう、じゃあお前だけ残れ。何かあったらお前が何とかするんだ分かったな?

よし、後は帰っとけやオラ」

「いや、ちょっ…」

「さっさと行け!シバくぞクソ共が!」

「……………………」


「では殿の事、宜しくお頼み申しますぞ」そう言い残し、みんな行っちまった。

展開の早さについていけず、開いた口が塞がらない家来B。すると「そうしょげるんじゃねえよ。パンダさんに会いに行くだけだ。オラ行くぞ」殿はそう言って、再び馬を走らせた。

「パ、パンダさんですと!?ああ!待ってくだされよ殿ぉ~~~」

驚いた家来Bは、驚ききる前に再び殿を追いかけるのだった!

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