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アイアンマンソウル  作者: バラクーダ高橋
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激情

殿の怒りを買った家来Bは、ボコボコにされて一通り罵られた後、またボコボコにされた。

思いついた妙案を進言するその前に、殿の拳が飛んだのだ。帯刀していたらと思うと、足がガタガタ震えだすこの昼下がりの惨敗に乾杯。   ~家来Bの深層心理より一部抜粋~


短い夏が終わり、馬肥緩む秋の訪れを感じる今日この頃。

殿はこの季節が超好きで、暦が九月に差し掛かるとやたら外に出たがるようになる。

丁度この日も穏やかな午後だった。

”ダスキン号”を殺られてから準アル中状態の殿は、相も変わらず”やけのはら”を飲み続けており、意識おぼろげながらも”ダスキン号”の後釜である漆黒のジャガラプメロキデンマキャンタマライソリニシドレミファソラシムラッキョウカアサンソンナニブタナイデアオタンガデキチャオンナノヒトリモデキンカラッキョウイデイデデイテテテテイッテキマスこと”ディープインパクツ号”に乗り、どこぞへ散歩に行くらしい。


”散歩”というだけで、家来Bを含めた家臣以下末端の兵士まで合わせた総勢一万人は大慌て。

急いで支度を済ませスピード狂の殿と共に城を飛び出していかねばならない。

例えば、殿が毎日散歩を望めば時速80キロの大名行列が連日行われる事になる。

しんどいのは、馬も例外では無い。これまでに何頭の馬が不味い馬刺になってきた事か。

「アリャ、今月も赤字だ」 

家臣が嘆く中、準アル中の殿曰く「モカレヘムヒホヒレーマヒアムセヒモチョホフフヘーフヘーマライア(おかげでウチの騎馬兵隊は無敵を誇るくれえ強ぇじゃねえか)」


確かにこの軍は強い。殿も言うように騎馬兵隊は負け知らずである。その秘密は騎馬兵隊を自ら率いて先陣を譲らない殿自身にあるのだが…。


少々肌寒い秋口の、いつもの散歩道の景色はどこへやら。殿の後を追っていく家来一同には目的地なんざ分かり得ぬ事。気付けばこの一軍は、見知らぬ山中へと突入していたのだった。

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