それ行け殿様
「殿、超大変ですぞ本気に」
と、家来Bが怒鳴り込んできたのが5時間前。これが全ての始まりだった。
やけのはら(テキーラにタバスコを垂らしたもの)を26杯飲んでいたおれは、あまり家来Bの報告も聞かずにとりあえず白い馬に乗って「行くぞコラッー!!!」と叫んで走り出した。
そう、血が•••••たぎったんだな
およそ10万の大軍を率いて家来Bの指さす西へとひた走った。
4時間も走った頃だろうか、西の彼方からランボルギーニLP2000が走ってきたのが見えた。
「なしてランボルギーニよ」と、おれは言った。
だが、よく見てみると何やら様子がおかしい。すると家来Bが言った。
「殿、アレですぞ…アレが例のアレですぞ!」
おれはハッとした。ランボルギーニの2ドアの窓から、家来Cと家来Dがハコ乗りをしているのが見えたのだ。ふと横を見ると、家来Bが「ムムゥ…」としかめっ面だ。
おかまいなしに「イエ~イ」てな感じで突っ込んでくるランボルギーニ。“ひかれるぜ”と思った時にはもうスデに遅い。
おれの乗ってた白い馬の足が「ボキン!」と鳴って砕けたのが分かった。
そのままおれはフロントガラスにヘバり付き、26杯分のやけのはらを思い切りドロップシットした。
その刹那車内を見ると、運転席には血走った目の家来A、助手席にはカタログを膝に乗せたガイジンが窓から身を乗り出してハコ乗りを楽しんでいる家来Dを邪魔そうにしながら座っていた。
こいつぁ•••••••謀反だ!!!