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第3章 第3話 桃香の家 謎のゲーム

「桃香…こんな大きな家持ってるの?」


「そーだよー、ボク1人で住んでる」


桃香の家だと思われる大きな一軒家、その門から出てきたのはアッシュグレーの髪をした、小柄な体格の人物だった。猫耳はついていないが特徴的な髪の色なのは間違い無かった。


「その声…あなた、桃香なのね」


「そっ、これが現実での桃香・グリフィンの姿だよ」


現実の桃香の姿を見た人間は、少年か少女か、間違いなく迷うだろう。それほどまでに、桃香は中性的な容姿をしていたのだ。


「じゃあウチに入ってよ。玄関で立ち話すべきじゃないし」


ーー


「家の中も見た目通りの広さ…1人で全部の部屋使えないでしょ」


「使ってない部屋いっぱいあるよ。ボクの移動範囲リビングと風呂と自室くらいだし」


桃香の家には用途毎に別れた、多くの部屋があった。サンルームもあれば、ホームシアターと思われる部屋まである。


「へぇ良いじゃん。私も住んでみたい」


「ホントに住む?部屋余ってるし」


桃香はアナザーアース内と変わらず、軽いノリで話していた。早く話の内容に移って欲しいというのが、鼎の本音だった。


「テロ組織とアナザーアース開発者は敵対してる…ってのはこの前の戦いで分かった」


「ナガレとネネ…だっけ。開発者…ネネの方が追われてる様子だったね」


テロ組織の一員、ナガレは正体不明だった開発者をネネと呼んでいた。鼎達が開発者の名前を知る事が出来たのは、彼女のおかげだった。


「それからボクは、テロ組織の構成員の可能性がある怪しいアバターをチェックしていたんだ」


桃香は一度に大量にユーザーが増えた時期のデータに絞って、テロ組織の構成員を探していた。IDを少し変えただけのユーザーを量産するのは、何かしらの目的がある可能性が高いからだった。


「その大量に作られたユーザーが、テロを行おうとした形跡があるの?」


「いや…あるゲームにログインしていたんだ」


「テロ組織じゃなくて、サクラじゃないの?」


「サクラ仕込んでたら、今頃悪い意味で有名になってるよ」


鼎はテロ組織がマイナーな部類のゲームで、大量にユーザーを作っている理由を考えてみた。ゲームにアナザーアースの開発者が関わっているとしたら…


「そのゲーム、タイトルは?」


「lunar eclipse project。ゲームバランスは兎も角、UIの出来はとても良いよ。目立ったバグも無いし」


lunar eclipse projectの公式サイトを見ると、様々な見た目のキャラクターが戦うキービジュアルが最初に表示された。ケモ耳のキャラもいれば、アンドロイドと思われる人物もいた。


「…キャラクターの見た目がバラバラすぎて、どんな世界なのか分かりづらい」


「そこが良いんじゃん。ボクはアナザーアースのアバターを反映させてプレイしてるよ」


アナザーアースのアバターを反映させる…ログイン提携も行なっているのだろう。アナザーアースと提携してるのにも関わらず知名度がほとんど無い…


「このゲームにも何か隠されてる気がするんだよねー…鼎サンも遊んでみてよ」


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