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6.部活動

昼休みになって

葉山先生に呼ばれているのを思い出して、中学校の職員室に行くことにした。


教室にいても暇だしということでフミも着いて来た。


「やっほ。ななみぃ。来てくれたかい」


葉山先生は、既に職員室前で待っていて、

彼女の隣には一人の女生徒がいた。リボンの色を見て高1だろう。


「先生。一体何するきなんですか?」


そう高1の彼女は気弱そうな声でがそう先生に聞いた。

すると先生は、胸を張ってこう言った。


「弓道。みんなでやらない?」


「弓道ですか?」


ななみはそう首をかしげた。

どこかで聞いたことのある言葉だった。


記憶の中をたどってみるとすぐに思い出した。

中3のときの話しで弓道クラブというのを作りたいという願望があるのを耳にしたことがあるののだった、

もちろん本人の口から。


ななみの質問に先生はすぐに答えた。


「そうそう、誰にでもできるあの弓道よ」


それを聞いて、フミがこう呟くように言った。


「でも、弓道ってどんなの……

アーチェリーなら知ってるけど……」


それを聞いて、

先生はこう待ってましたと言わんばかりに笑顔になって答えた。


「気になるなら、やってみない?」


先生のその言葉を聞いて、

フミはこうななみだけに聞こえるように言った。


「結局誘いですか….

ていうか、ななみ、名前知られているけど、知り合いなの?」


ななみはそれを聞いて、フミこう言った。


「うん。だいぶ知っている知り合い。

多分……私がここに呼ばれたのはきっと勧誘のことだったんだ」


先生は唐突に力説するようにこう言った。


「え~諸君。心配はご無用。指導と顧問は私がする。

もし入りたいなら、放課後またここに来てくれたまえ。

あと、何人か誘っておいてね」


先生の力説が終わると同時に、

タイミングよくチャイムがなった。


5時間目授業中。

なんだか、光の様子がどこかおかしかった。


いつもなら、

ずっと黒板に集中していて真面目に授業を受けているのに今はずっと顔を伏せて寝ていた。


4時間目もそうでもないように見えたが、

今となって急にと言って言いぐらい突然だった。


ななみはふとこころの中で、

きっと昨日の風邪が彼にかかってしまったのではないかと思った。

そうだとしたら彼に悪いことをしてしまったと思った。


授業は終わっても光は動こうとしなかった。

矢口が彼によってきて安否を確認するためにつついた。


すると、光は顔を上げてこう一言いった。


「ごめん。今しんどいから、寝させて」


「はいはい。分かったよ」


矢口はそう言って光から離れて、自分の席に腰を下ろした。


「元気なさそうだけど、まさかうつした?」


そう心の中を読みっているかのように、

前の席にいるフミが後ろを向いてきた。


「うん。なんだか、悪いことでもした気がする……」


ななみがそう呟くと、矢口が口を挟んできた。


「大丈夫だろうよ。あいつ、昨日からしんどそうだったから」


フミがそれを聞いて、驚いたような顔をしてこう言った。


「え。そうだったの?」


ななみも、フミと同じく驚いた。

昨日はそんなそぶりは見えなかったからだ。

矢口はフミにこう答えた。


「なんか、あいつさ。

昨日は楽しみだからとか言って無理して来てたみたいだけど……」


ななみはその言葉の意味を遠足が楽しみだということだと思っていたが、本当の彼の理由が分かっていなかった。


6時間目のチャイムがなって、

ななみは今日の授業が終わってほっと一息ついた。


フミが後ろを向いてこう聞いてきた。


「職員室行く?」


「うん。一応」


「一応ね……」


フミはななみのなりげないような言葉を聞いて、

何回か首を縦に振った。そして、いきなりこう聞いてきた。


「前から、きになってたけど。あんまり家に居たくない派?」


突然の質問にななみは、

首をかしげたが正直に簡潔に理由を加えて答えた。


「うん。家に帰っても暇だから」


「それ聞くと、去年はだい暇だったそうね……

ねえ、ななみ。あの先生が言ってた、弓道する?」


ななみは、

フミの言った言葉を聞いてふと思った。


今までクラブなんてした事もなかったし、

放課後勉強以外で学校に残ることもなかった。


だから、どことなく、いや。

なんだかクラブというのをしたくなった。


ななみは頷いてこう言った。 


「うん。するつもり」


フミはそれを聞いて笑みを見せてこう言った。


「なら、あたしもしようかな」


ななみはそれを聞いてうれしくなった。

クラブをやろうと思ったら、仲良しの友達も一緒にすることになったからだ。


SHRも終わって

ななみとフミは一緒に、中学校の職員室まで行くことにした。すると、光も同じ方向に用があるらしく着いて来た。


「ちょっと今日。俺クラブ休むことにした」


しんどそうな顔をながら笑みを浮かべて、

光は、そう二人に言った。


ななみはその言葉を聞いてななみはこう言った。


「ごめん。昨日、私が……」


「気にしてねえよ。昨日からちょっと調子ぐじしてたからさ」


光のその言葉を聞いて矢口の言っていた、

彼は昨日から調子が悪いというのは本当のようだ。


でも、気にしてねえよ。

と聞いて、ななみはほっとした。


「今日も帰りは一緒になるけどいい?」


ななみはそれを聞いて思わず言葉を詰まらせたが、

隣にいたフミがぽんと体で当たってきて言いなよ。と言ってきた。


「うん。いいよ」


ななみはそう彼の顔を見ないで答えた。


なぜ見なかったは簡単に答えるのが恥ずかしかったからだ。

また、彼と一緒の帰り道を歩けることが……


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