史実編 34話
すみません、最近全然投稿してない理由なんですが単純に最近なろう自体へのモチベーションがありません。
だいたいモチベが無くなっても他の作品に影響されることが多いんですが、最近僕の好きな時期や地域の作品が全くないので僕もやる気が出ません。
誰が書いてくれたらまたモチベ上がります。
前田利家と対面した信澄は早速鋭い眼光で彼を睨みつける。利家の方も負けじと目を細める。
「ご無沙汰じゃな。前回は随分と偉そうな口を利いてくれたものよ」
「ふん、槍の又左も老いたな。このような無謀な戦をけしかけるとは」
「無謀じゃと……?私は亡き太閤殿下のご遺命により!」
「お前……本気でそんなことを申しておるのか?本当に秀頼君が豊臣家を纏められると思っておるのか?織田家の崩壊を見てきたお前が」
「なっ!?口にして良いことといかぬ事の分別がまだ付かぬとは……」
「黙れ。お前が欲しいのは天下だろう?太閤殿下の跡を継ぎ自分が天下をまとめるそうではないか!?」
「左様な訳があるまい!ワシは……!」
だが利家は嘘をつくと左目を細めるくせがある。それを信澄は瞬時に見抜いた。
「お前、本気で天下を取れると思ってるのか?お前の器量で……!」
「……ッッ!」
直球の暴言に言葉を詰まらせる利家。そこに信澄は追い討ちをかける。
「柴田勝家や丹羽長秀が纏められなかった天下をお前のような荒子の国衆の次男坊如きが治められる訳がなかろう。それに現実を見よ。お前に着いてくる毛利輝元は反徳川という点で結託しているだけでお前の天下など認めておらぬ。それに有楽斎・蒲生・池田・堀・丹羽……旧織田諸将は誰もお前を認めず徳川に従っておる」
「されどこちらには岐阜中納言も大野宰相も居るわ!輝元とてワシと奉行衆が組めば……!」
「あのふたりは分別の着く年齢ではないわ!輝元がお前と雌雄を決するとなれば島津も立花も鍋島も毛利に味方するに決まっておる!お前の家中には安国寺恵瓊のような使える参謀はおらんでは無いか!」
「だからとて!ワシは家康に天下を渡すくらいなら秀頼君を立てて天下を仕切らねばならぬのだ!戦乱の世に消えていった上様や親父殿、内蔵助・忠三郎らの代わりに……!」
「綺麗事を並べたとてお前は天下簒奪を目論む罪人じゃ!その点では家康とは変わらぬ!しかしお前は家康よりも老い先短く、所領も少ないし秀長が亡くなったことで繰り上げで立場が上がっただけ。鼻からあの男と戦うなど無謀な事よ」
「なあ又左……別に天下などお前が纏めずとも家康が上手いことやってくれるさ。お前が本当にするべきことはオヤジが必死になって守ろうとしたお前の子供達じゃないのか……」
そこまで言われて利家は賤ヶ岳の戦いのことを思い出した。
あの時に柴田勝家に言われた「御家を守り通せ」という言葉を……。
「…………。暫し考えさせてくだされ……」
それだけ聞くと信澄は寺を出た。
その後まもなく、前田利家と徳川家康は和睦。利家は跡の事を家康に託し間もなく病に倒れた。
が、これを快く思わない者もいた。
「前田利家め……ただの老いぼれであったか……」
そう言って握り飯をかじる男……毛利輝元とその横に控えるのは安国寺恵瓊である。
「まあまた機会は回ってきましょう。さすれば家康も秀頼も……」
「うむ……祖父は天下を狙うなとはもうしたがやはり武士たるもの、天下を目指したくなるもの。必ずや私が天下を取って見せようぞ」
西国で最も戦国大名と戦ってきた男が、東国最後の戦国大名に挑もうとしていた。




