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史実編 7話

清洲会議ですが後継者は三法師と決めた上で後見人を決める会議だったのは分かってますが物語的な展開のため従来通り後継者で揉めてもらいます。

「して会議の参加者は?」


盛政が聞く。


「無論、新たな当主に拝謁するのだ。全員呼ぶ必要があろう。但し最重要な案件は宿老で決めるべきであろう。」


「宿老となると殿と五郎左様と左近殿と筑前……。しかし左近殿は北条と戦中とか。」


佐々成政が言う。


「うーむ、となると左近の代わり……。勝蔵か勝左か七兵衛様か。」


「ともかく、清須に行って集まった諸将から選ぶべきでしょう。左近殿が来られれば左近殿。もし来られなければ別の者を選ぶだけです。」


と前田利家。


「よし、そうだな。早速触れを出せ!」


こうして柴田勝家により織田家の家臣たちが清須に招集された。

その命令は直ぐに高島の信澄にも届き早速信澄は清須に入った。


「おい、何で俺が相部屋なのだ!」


信澄が城に入ると森長可が前田玄以と揉めていた。


「ですから、急な招集ゆえ部屋が足りぬのです。どうか折れてくだされ。」


「俺は先日まで、死ぬ思いで戦っていたのだぞ!お父上が使っておられた部屋があるだろう!」


「その部屋を相部屋にと申しておるのです。御相手は森殿が選ばれればよろしい。」


「チッ……。仕方あるまい。」


長可は舌打ちすると去っていった。

それを聞いて若干焦りながら信澄が聞く。


「おっ、俺はどうなのだ?」


「これは津田様。ようお越しくださいました。津田様には以前のお部屋を用意しております。」


「以前の部屋!?汚れてんじゃねえの?」


何せ25年前くらいに使っていた部屋だ。

とんでもなく汚いだろう。


「ご案じなされますな。お部屋に関しては逐一、清掃しております。津田様がお使いのものに関してはそのままにしております。」


「おお、忝ない。ちなみに以前の部屋でもあいべ……。」


「屋ではありませぬ。仮にも津田様は御一門。丁重に扱えと柴田様から命じられております。」


「オヤジが?そう言えば昔はオヤジとあの部屋でよく遊んだものだ。」


そう思い出を振り返りながら信澄は懐かしい清須の廊下を歩いた。


「殿。まずはご挨拶をすべきかと。」


と秀勝が思い出に割って入ってくる。


「挨拶?誰にだ?俺は三介にも三七にも挨拶などせんぞ。いや待て……。1人思い出した。」


秀勝はパッと来てなかったが信澄は足早にとある部屋に入った。

西洋風のこの時代でいうと悪趣味な部屋に入ると信澄は軽く頭を下げた。


「叔父貴、しばらく。」


「その声は津田坊か。そろそろ織田に苗字を変えたらどうだ?」


そう言いながら信長と同様に西洋服を着た中年の男、織田三十郎信包が出てきた。


「津田坊なんて俺の事呼ぶ奴はもう叔父貴か平八郎か勝蔵か……。そういや平八郎は……。」


「平八郎も九郎右衛門も逝った。昔はこの部屋でようお前と騒いどったものよ。」


「平八郎……九郎右衛門……。」


旧友たちを思い出し信澄の目が潤む。


「お前にとっては父同然の兄上も幼なじみの若達も失い辛いだろうな。」


「叔父貴……。俺はっ俺はっ……。」


「泣くな気持ち悪い。それより外を見てみろ。」


信包に言われて信澄は外を見る。

見れば柴田勝家が軍を率いてやって来た。


「まるで戦に行くかのような立ち振る舞い。気に入らんなあの男は。」


「む、その後ろはサルか?」


その奥には秀吉の一行が城下町に入っていた。


「はっーはっはっ!羽柴藤吉郎秀吉!清須に帰って参りましたぞ!お待たせ致しました!上様の仇を討ったサルにござるぞ!!」


秀吉がそう言って担がれながら花弁をばらまく。

それ見て民衆は大盛り上がりだ。


「あれは祭りか。あれも気にいらんな。」


「叔父貴はどっちも嫌いなだけだろ。五郎左は静かに入ったらしいが左近は来たのか?」


「まだ来てない。あいつしか宿老で話の会う男はおらん。」


「まああんたらは仕事が同じだったからな。で、五郎左は挨拶に来たのか?」


「いや、来てない。あの男は三七の所へ行った。恐らく柴田も同じだろう。サルは……誰のところに行くんだ?」


「む……待て。」


信包がそう言うと見たことの無い男が出てきた。


「えっ、誰?」


「羽柴家家臣、中村孫平次にございます。主より三十郎様に挨拶するように命じられ参りました。」


「はぁ……。ご苦労である。サルは来ないのか?」


「はっ。我が主筑前守及び柴田様。双方共お市の方様へ挨拶に向かわれました。それではこれにて。」


一氏が去ったのを確認すると信澄が不機嫌そうに言う。


「そう言えば2人とも叔母上に惚れとったな。」


「いい歳して2人とも気持ち悪いな。」


「その通り。サルに肩入れしていたがちょっと迷って来たな……。」


本気でそう思い始めた信澄であった。

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