20話
ダイパリメイク発売やったー!!
武田軍を追撃する俺と高虎の元に早馬が訪れた。
「羽柴筑前が家臣、竹中半兵衛からの伝言です!現在馬場信春が戦場にて殿として暴れているため北側から迂回して行けば勝頼を待ち伏せ出来まする!」
「わかった!半兵衛に感謝していると伝えてくれ!聞いたな!俺たちは北から武田を迎撃する!」
俺は怒号をあげると馬を走らせた。
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設楽原東部 馬場信春隊
馬場信春と一条信龍は鬼神のごとき活躍を見せていた。
まず突撃してきた前田、佐々隊を敗走させ数で不利ながら滝川、原田隊と互角に渡り合っていた。
「爺さんよ!案外イケるかもしれねえな!」
一条が織田兵を弾き飛ばしながら信春に言う。
「戦場で調子に乗るなと教えただろ!」
一条を叱責する信春に後ろから騎馬兵が斬りかかる。
「危ない爺さん!」
咄嗟のところで一条が小太刀を投げ騎馬兵は馬から落ちた。
「爺さんこそ、油断すんなよ!」
「ふん、ガキが偉くなったもんだ!」
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設楽原 滝川一益隊
「ええぃ!こちらは数では勝っておるのだぞ!何故勝てん!」
滝川一益はイライラしていた。
「最後の抵抗というやつだろう。一気に鉄砲隊で討ち取ってやる。」
「しかし九郎左衛門(直政)よ。武田の猛攻で鉄砲隊はかなり減ってるぞ!」
「だから援軍を呼んである!」
直政が後ろを向くとそこには水色の桔梗紋がたなびいていた。
「明智殿!来てくれたのか!」
「はっ!原田殿に頼まれてやって参りました。あとは私にお任せあれ!鉄砲隊構え!」
光秀が命じると鉄砲隊が馬場隊に狙いを定めた。
「放てぃ!」
光秀が刀を振ると同時に無数の鉛玉が馬場隊を襲いかかった。
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設楽原 馬場信春隊
「ぐぅっっ!」
そのうちの一発は馬場信春の肩に命中した。
信春は一瞬揺らぎながらも何とか落馬せず持ちこたえた。
「爺さん!」
「来るな!ここらが潮時だ。お前は逃げて四郎を助けてやれ。」
「……、わかった。一条隊、退けい!」
一条が撤退したのを確認すると信春は織田軍に突撃を開始した。
「放てぃ!」
光秀の命令と共に鉄砲が一斉に火を噴く。
そしてついに信春も戦場の藻屑となった。
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設楽原からかなり東にて俺は勝頼を待ち構えた。
そしてその時が訪れた。
「何者ぞ!こちらにおわすは武田四郎様であるぞ!」
こちらに向けて刀を向けた老人が大声を上げながら近寄ってきた。
「我は織田弾正忠が甥、津田阿波守。武田殿にお相手願いたい。」
「なにぃ!下郎ごとき、この長坂光堅だけで十分じゃ!」
同じ老人でもこれと馬場信春では雲泥の差だった。あっさりと長坂の攻撃を交わした俺はそのまま首を切り落とした。
「見事、是非とも御相手致したいところだが俺は逃げなければならぬ。」
そう言って拍手しながらやって来た男は紛れもなく武田勝頼その人だった。
「なんだと?ここまで被害を被ってまだ織田に抗う気か?」
「違うな……もはや力の差ははっきりと分かった。」
「ならば降伏しろ!」
「ダメだ!降伏すればこの戦で死んだ連中にどう詫びる!それにまだ武田には力がある!それに力の差があったのは今日までのこと。此度の戦の敗因を考えればまだ我らは負けぬ!」
「往生際の悪い男だ!ここで俺が討ち取ってやる!」
俺は薙刀を構える。
「御館様、ここは私が。御館様はお逃げくだされ。」
そう言って出てきたのは武藤喜兵衛だ。
「武藤……!」
「阿波守よ。どうやら先日の約束、果たせそうだな。」
喜兵衛も槍を構える。
仕方ない……勝頼は後回しだ!
俺たちは武器を構えたままジリジリと近寄っていった。
「覚悟ォッ!」
先に俺が一撃を食らわせる。
しかしあっさりと交わされた。
「それが織田家の一門か!」
逆に昌幸は槍の柄で俺の腹を叩きのめした。
「ぐぁっっ!」
さっき食った昼飯が血と共に飛び出る。
まずい……こいつは俺より圧倒的に……!
「死ねるかァッッ!」
さらに俺は連続で斬り掛かる。
しかしそれも難なくかわされた。
「兄上2人を討ち取ったのはお前だな。その仇、取らせて貰うぞ……。」
こいつ、真田兄弟の弟か……!まずいぞ、このままだと。
喜兵衛は槍を俺に構えるとジリジリと近寄ってくる。
「……させるかァッ!」
そう言って高虎が真田信綱から鹵獲した大太刀で斬り掛かる。
「グゥっ!それは……兄上の……!」
喜兵衛が一瞬戸惑った。
「今です!七兵衛様!」
「おうよ!」
俺は喜兵衛に脇差を突き刺した。
「ふう……見事だな。津田阿波守。」
寸前のところで交わした喜兵衛が槍を下げて話し始める。
「ここで討つには惜しい男だ。また会おう!」
そう言って喜兵衛が指を鳴らすと辺りから煙幕が立ち晴れた時には喜兵衛は居なくなっていた。
「恐ろしい男でございましたな……。」
「もう戦いたかねえな。それよりこのじじいの首誰の?」
「さぁ、武田の兵に聞いて見ましょう。」
なんか言ってたけど覚えてなかった俺はそこらの負傷した武田兵にじじいの首を見せた。
そいつの言うところによると武田の家老の長坂光堅のらしいけどそれ大手柄じゃん!
俺は漬けていた真田兄弟の首とともに伯父上に差し出した。
「大儀である七兵衛。これからも期待しておるぞ。」
エッ!それだけ!?まあ伯父上も疲れてるんだろうなぁ。
そう思いながら俺たちは戦の後片付けを始めた。
一章はこれで終わりです。