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14話

明日から投稿できるか微妙です。

サルと庭でダラダラしていると万見がやってきた。


「七兵衛様、羽柴殿と共に殿が先発隊として徳川勢と合流せよと。」


「あららら、なら先に言って欲しゅうございましたな。さて、行きましょうか七兵衛様。」


「うむ。」


全く、伯父上の男色好きには困ったものだ。

俺はサルと共に三河に向け出陣した。


「ところで七兵衛様。先程のワシが天下という話。あれはなにゆえ出てきたのですがな?」


また一瞬声が変わってる……。


「いやー、夢を見たのだよ。伯父上が夢半ばで果てお主がその跡を継いで天下を取る夢をな。」


「それは良くない夢ですなぁ。ワシは殿と違いへっぽこな小物ですから。」


また元の秀吉に戻ったか。


「ははは。自分をあまり卑下するなよ。お前だって立派な武士さ。」


こいつはそういうところがめんどくせえ。

自分が低い身分の出身なのがアレらしい。


「いえいえ、七兵衛様の足元にも及びませぬ。」


「いや、そなたと俺では天と地との差だ!」


てな感じの不毛のやり取りをひたすら続けながら俺たちは岡崎城の徳川軍に合流した。


一応家康は後の征夷大将軍だがはっきり言って覇気はない。ただの小太りのタヌキだ。


「阿波守殿に筑前守殿。お待ちしておりました。よう来てくださった。」


そう言って外まで俺たちを出迎えた家康は手を握って感謝の言葉を述べる。


「わざわざの出迎え忝ない。伯父上はまもなく到着されるゆえ暫しお待ちくだされ。」


「承知致した。して織田殿から指示は?」


ん?指示だと?俺は万見から出陣しろとしか言われてないぞ。


「いやー、それが俺たち、先に行っとけとしか言われてないのです。」


それを言った瞬間、徳川の将兵の目の色が変わる。

うん、そりゃ怒るよね。


「はぁ……そうですか。小平太、この方々に城下を案内せよ。では私はこれにて。」


家康と交代で入ってきたのは榊原康政だ。


「榊原小平太です。羽柴様は大層な女子好きと聞きました。それゆえ三河の女子を集めた店をご案内致します。七兵衛様も如何ですか?」


おっ、いいねー!やっぱ抱くなら女なんだよなぁ!


「是非とも案内して頂きたい。」


そう言うと康政は笑顔で案内してくれた。


「どの娘に致しますか?お武家様。」


そう言って店主らしき怪しげな女が横を指差す。


「おー、これは素晴らしき逸品ばかり。どれに致しましょう、七兵衛様。」


「これ、支払いは俺たちが?」


榊原に聞く。


「殿がお出しせよと。代金も預かっております。」


「ほほー、なら選び放題ですなぁ。」


秀吉が6本目の指で髭を摩る。


「そんなもん、全員に決まってるだろう!」



心ゆくまで女と酒を楽しんで店で爆睡していた俺とサルは聞き覚えのある声で目覚めた。


「七兵衛様、羽柴殿!何をしておられるのです!」


「むっむっ……堀久か?お前もう来たのか?」


「もう来たも何も、あなた方が出立して2日経っているのですぞ!徳川殿と事前の打ち合わせもせずに何をしているのです!」


「えっ、俺はなんも聞いてないぞ!?」


「羽柴殿から聞いておられぬのですか!?なんのために先発として派遣したと……!」


「おいサールーーーッ!」


俺は寝ていたサルを叩き起した。


「ヒェッ!すっかり忘れておりましたわ!」


「殿はとんでもないくらいお怒りですぞ!早う謝られた方が!」


やばい……。間違いなくぶっ殺される……。

サルめ!なんでこんな大事なことを……。

ん?待てよ、いいこと思いついたぞ!


すぐに岡崎城に向かうとやはり鬼の形相で伯父上が待ち構えていた。


「おう、サル。お前ワシの主命を忘れて女と寝ていたか。」


「そっ、その……。ワシは……。」


「おっ、伯父上。俺のせいです。上司としてなすべきことをなせませなんだ!」


「七兵衛………お主は巻き込まれただけだろう。」


「いえっ!俺にも責任があります。サルを処罰するなら俺も処罰してくだされ!」


伯父上は俺に甘いからなぁ。

多分許してくれるぞ。


「……。仕方あるまいな。戦で手柄を上げ挽回せよ。」


「ははっー!」


廊下に出たあと、サルは俺の手を握りしめ涙ながらに感謝した。


「良いのじゃ。その代わりいずれお前が出世したら俺に三カ国くれ。」


「はっ?まあこのご恩は忘れませぬ!」


ふっふっふっ。これで俺の未来は安泰だな!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 津田信澄とはまた絶妙なところを選んだなぁと思います。比較的違和感なく読みやすいです。 [気になる点] 武士は普通、戦の前に女子を抱きません。なぜなら当時の女子観というのは月のものや出産で血…
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