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1話

津田信澄は割と好きです。

「なんじゃこりゃァァァァァァァァァァッ!」


燃え盛る城の中俺は絶叫した。


「何故、某を攻める!某は味方だぞ!」


そう言うが敵兵はどんどんと襲いかかってくる。


「逆賊、津田信澄!どうせ日向守と手を結んで父上を討ったのであろう!」


「おのれ、三七!貴様一門の某が邪魔だと感じこの混乱に乗じて殺す気だな!」


「ふん。貴様を殺してもワシは謀反人を討ったと褒められるだけじゃ!そしてあわよくば家督も頂くという算段よ!あの世から指をくわえて見ておれ!」


グサッ!

ああ、痛え……意識が遠のいていく。

俺は死んだのか……。

俺は静かに目を閉じた。



「おい、起きろ!」


ん……俺は死んだはずだ。

ここはどこだ?それにこの声は誰だ?


「お、起きたか。」


「誰だお前、ここはどこだ。」


「ここはまあ簡単に言うと死後の世界。俺は織田隼人信成。あんたの曾孫だ。」


「曾孫!?馬鹿言え。どうせ俺の息子も信孝に殺されたはずだ!」


「いや、それがじい様は藤堂高虎様の助けで生き延びてるんだよね。その後は二千石で幕府に仕えてる。」


「幕府?何の話だ。幕府は伯父上が……。」


「うーん、簡単に言うと曾祖父さんが死んだ後、秀吉が光秀を討ち三法師を後継者に立てて柴田勝家と織田信孝を討ち取るんだ。その後は関白、太政大臣に任ぜられて天下を取る。その秀吉が死んだ後に天下を取って幕府を開いたのが徳川家康だ。」


「サルに徳川殿!?織田家はどうなったのじゃ。それに高虎が何故?」


「織田家は最終的に信雄の家系が各地で2.3万石で存続って感じかな。高虎様は何度もじい様を助けてくれたよ。」


「まさかそんなことが……。高虎は大名になったのか?」


「うん、伊勢に32万石。僕たちとは大違いだね。」


「くっ……。それで何の用だ?」


「もしも曾祖父さんが本能寺の変を防いだり織田家を守ってくれたら今の俺はもっと立場が良くなってるはずなんだよ。だからもう一度、津田信澄としてやり直して欲しい。」


「やり直し……?そんなことが可能なのか?」


「うん、僕は時を司る龍と契約してるからね。但し巻き戻すのは死ぬ10年前。天正元年だ。」


「10年のうちに織田家を守れと?」


「うん、やり方は自由だよ。光秀を殺しても秀吉を殺してもいいし最期に攻めてくる信孝を返り討ちにして光秀と一緒に天下を狙ってもいい。好きなようにやってよ。」


「好きなようにと言われてもな……。最低条件はどこだ?」


「うーん、前田家が110万石だけど流石にそれはキツいしなー。伊達家が60万石、島津家が80万石、細川家が50万石だしどこがいい?」


「前田?あいつがなんで出世したんだ?」


「前田は秀吉の親友だったからだね。滝川は北条に敗れて衰退、丹羽は120万石を得たけど長秀が亡くなったあと難癖つけられて10万石に、佐々は秀吉に自害させられて河尻は甲斐で一揆に殺された。森長可と池田恒興は秀吉に従って徳川家康との戦いで討死したけどそれぞれ中国地方に所領を得て徳川時代に入ったよ。詳しくはこの本に書いてあるから戻った時に読みなよ。」


「なっ、そんな本があるのか。本当に俺が歴史を変えてもいいんだな?」


「うん、でも国外出兵はおすすめしないよ。勝てないから。あと信長は確実に天正10年に死ぬよ。」


「それだとワシが戻る意味は……。」


「別に信長がいなくても信忠がいるし問題はない。本能寺の変で信忠を救うのが1番簡単だと僕は思うよ。」


「わかった。いまから戻るのか?」


「うん、じゃあ時の龍に巻き戻してもらおうか。」


そう信成が言うと青い四足の龍が現れた。

龍が吠えると俺は蒼白い光に包まれ結界に突入するのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 秀吉が天下取るくらいなら俺が天下守ってやるって なる人がいてもいい気がするので応援。 [気になる点] 誰が天下取ってもおかしくなかったはずですものね 戦国時代 [一言] 麒麟がこない、乱世…
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