夏祭りにて〜和葉〜
投稿期間が空いてしまって申し訳ありません。
今回は和葉目線です。絹家と三木の距離は縮まるのでしょうか。
ちなみに、次回は絹家目線のつもりです(変わる可能性は高いです)
「結構賑わってますよね」
「そりゃここら辺の祭りっていったらここしかないから、ここらの人はだいたいくるよ」
「へぇ、安在さん色々知ってるんですか?」
「まぁ、栄荘に来てから結構経ってるからね」
それはそうと安在さん。僕たちは絹家さんの手助けのために来ているんですよね?なのになんで…………
「なんでそんなに祭りを満喫しているんですか!!」
薄い水色で黄色い花の模様のある浴衣を纏った安在さんは、普段の髪型とは違いよくある“お団子へアー”と化していた(少し可愛いと思ってしまった)。そして僕のお金でわたあめ、お面、射的の屋台を次々に回って歩いた。
「いいじゃんか〜。ほら、絹ちゃんあそこにいるじゃん」
安在さんが指差した先には浴衣姿の絹家さんが頬を赤らめながら三木さんを待っている。
「僕らチンピラとしていい感じにするっていう作戦でしたよね!なんで浴衣なんですか!全然チンピラじゃないでしょ!!」
「まぁそこは和葉ちゃんがいい感じのチンピラになってくれたから問題ないっしょ。革ジャンにサングラスってだけでチンピラじゃん」
この人のチンピラへのイメージってどんなものなんだろう。まぁ、僕が選んだんだが。
「あっ、三木さん来ましたよ」
「ほんとだ〜。絹ちゃんったら照れてる〜」
そこですか。結局はそこですか。
「そういえば和葉ちゃん晩御飯食べた?」
「あ、いえ、まだですけど」
突然の質問に不意を突かれ、無愛想に返す。
「じゃあ………」
その時だった。安在さんは持っていたわたあめを僕の口に押し付けてきた。
「なっ!」
顔が熱くなっていくのを感じた。だってそれは、先ほど安在さんが口にしていたものだったからだ。
「ひょっ、はんふぁいはん!(ちょっ、安在さん!)」
急いでわたあめから顔を遠ざける。
「えっ………そんなに………嫌だった………?」
小首を傾げて上目遣いをしてくる安在さん。ほんと女の人ってこういうときずるい。
「え、嫌っていうか…………恥ずかしい………です………がはっ!」
そう言った直後、背中に衝撃を感じる。
「はっはっは!和葉ちゃんったら可愛い!」
本当にこの人は悪い人だ。
「痛いですって!背中バンバンするのやめて下さい!」
「さっきのトキめいたかなぁ?」
もの凄いドヤ顔でこちらを見る安在さん。
「女の武器はこうやって使うのよ」
「めっちゃキリッとしてますけど、間接キスとかいいんですか!!」
「いいよいいよー!なら直接する?」
「絶対嫌です」
安在さんとのやりとりを終えて絹家さんの方へ目を移す………が、
「安在さん………」
「どしたの?」
急に血の気が引くのを感じた。
「絹家さん……いなくなってます…………」
色々至らない点があるでしょうが、アドバイスなどを頂ければ幸いです。