表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/36

19 坂道

お題「坂道」

 ここはどこだ?俺は何故こんなところにいるんだ?


 暗闇の中の一本道。先を見ても曲がりくねっているようで見えない。俺は歩き出した。緩やかな坂道を少しずつ登っていく。段々と疲れてくる足。この坂道はいつまで続くんだ?それに俺はどうしてこんなところを歩いているんだ?


 答えは出ない。少し休むか。俺は道の脇に座り込んだ。とその時、前方に光が見えた。


「おーい、おーい」


 俺は呼んでみた。だが光は近づいて来る気配はない。俺は光を目指して歩き出した。歩いていると、坂道がキツくなってきた。歩いても歩いても、光には近づけない。


 もう疲れはてた……。


 俺は大の字に寝転んだ。とても気持ちがいい。道路に寝ている感じはしない。今日はこのまま寝てしまおうか。


「…………」

「…………」

「…………!」


 なんだろう?誰かの話し声?どこから?


 俺は起き上がり、再び光を目指して歩き出した。


「…………!」

「…………!」


 声が大きくなってきたようだ。すると、坂道の終わりが見えてきた。坂道の終わりは光輝いていた。


 まぶしい!



志郎しろう!」

「志郎!」



高柳たかやなぎさん、わかりますか?病院ですよ」

「……」


 俺が目を開けると、母親と友達が俺を呼んでいた。

 俺はバイクで事故を起こしたらしい。


 ではあの坂道は……?もし途中で寝てしまったら?母親や友達が呼びかけてくれなかったら、永遠にあの坂道にいたかもしれない。


 あの世とこの世を繋ぐ坂道だったのだろうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ