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「お題「カーテン」

 私が家から出ていつもの通勤路を歩いていると、視線を感じた。だが私は急いでいたために気にせずに会社へ向かった。

 仕事も終わり、私は家路に着いた。しかしその時にも視線を感じた。私はあくまで気のせいだと思った。

 そしてまた朝がきた。私はカーテンを開けて、窓を開けた。気持ちのよい空気が入ってくる。とそのとき視線を感じた。


 怖い。


 私がまず思ったことだ。最近視線を感じていたのは気のせいではなかったのだろうか。私はカーテンを閉めた。そしてカーテンの隙間からそっと外を眺める。すると道路の向かい側のアパートの二階の窓から人が覗いている。私と同じようにカーテンの隙間から。


 ゾクリ


 私はカーテンの陰に隠れた。今までの視線はもしかして向かい側のアパートの人……?まさかストーカー?警察に相談した方がいいのだろうか?でも被害に合った訳ではないし……。とりあえず、出勤の時間を変えてみよう。


 私は翌日から出勤の時間を少しずつ変えてみた。でもどの時間でも感じる視線。私は外へ出るのも怖くなっていった。会社へ行くのも怖い。私は会社を休むことにした。早速会社へ電話した。


「あの、休暇をいただきたいのですが……」


 電話に出たのは上司だった。


『休暇?今忙しいのはわかってるよね?休む理由は?』

「ぐ、具合が悪いんです!」


 私は思わず叫んでしまった。上司も驚いたようだ。


『そんなに具合が悪いのか?休暇はわかったから休みなさい』


 上司もわかってくれたようだ。私はほっとした。そのとき、また視線を感じた。ほんの少し開いたカーテンの隙間から、向かい側のアパートの人が見ている。私はゾッとした。


 怖い!どうしたらいいの!?


 私は次の日も会社へ電話した。


「休暇を……」


 そしてまた次の日も。怖くて外に出られないのだ。


 ピンポーン


 インターフォンが鳴った。


「はい」

『宅配便です』


 私は扉を開けた。するとそこには鳥の死骸があった。


「ひっ」


 私は急いで扉を閉めた。私は狙われている!私は見られている!私は殺されるかもしれない!どうしたらいい?


 ああ、そうか。


 私はふらりと外へ出て、向かい側のアパートへ向かった。そして扉を叩く。扉が開いた。と同時に私はそれ・・を包丁で刺した。何度も何度も刺した。


「あは、あはははは!これでもう大丈夫だわ!」


 血の海になった場所に女性が一人倒れていた。


 それからのことは覚えていない。私は何故ここにいるのか。鉄格子のはまった部屋。ベッドに固定されている私。何故なのかわからない。


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