変化
数日後、たまたまお昼ご飯を忘れた大地は一馬とありさを誘って食堂へ向かっていた。その途中で一人分にしては少し多めの袋を持った郁香に出会った
「あれ?先輩?」
「あ、山倉君。やっほーどうしたの?」
「今日はお弁当を忘れたので二人を誘って食堂で食べようかと」
「あーなるほど。でももう遅いかもよ?うちの食堂とても混むからもしかしたらもう空席ないかも」
「そこは大丈夫です。先に二人に席を取ってもらっているので」
と答えつつ
「そういえば先輩はどうしたんですか?そんなにいっぱい持って」
と大地は郁香が持っている大き目の袋を指さしながら聞いた。
「あ、これ?私も今日お弁当忘れちゃってさ、ついでに体育だった友達の分も買って教室で食べようかなって。人気のものとかすぐにいかないとなくなるしね。」
「そうなんですか。重くないですか?」
「全然!こんなの本に比べたらマシだよ」
「それもそうですね。ではまた」
「うん、ばいばい」
と言って二人は別れた。やがて大地は食堂に着くと一馬とありさを探した。すると奥のほうから
「おーい大地ー、こっちこっち」
と声がした。そのほうに目をやるとテーブル席に仲良く隣り合って座る一馬とありさの姿を見た。少しあきれながら大地は向かうと
「相変わらずラブラブなようで」
といきなり茶化した。すると少しふざけたテンションで一馬が
「最近知り合ってあそこまで距離の近い大地君と桜井先輩ほどじゃない」
と返してきた。それに焦り大地が思わず
「それは違うって。桜井先輩はただの先輩だって」
と返していた。すると
「お前はそうかもしれんがあっちは違うかもしれんぞ」
「そんなことないって」
「と、まあ大地の冷やかしに反撃したところでご飯としようか」
「そうだね、私おなかすいた~」
「ってただのあそびかよ!」
「桜井先輩に気があるかもしれんのは本当だぞ」
と一馬はいきなり真剣なトーンになり言い出した
「へ?」
「だって大地と話すときだけ表情がわかりやすいくらい変わるもんあの人」
「そう?」
すると横からありさが
「絶対そうだと思うけど?」
大地はあんまり納得いっていない様子で
「そうかな」
と言う。
「まあ。大地にその気がないのならあんまり気にせんでいいと思うよ」
というと一馬は
「あ、早くいかないと混んでるよ、カウンター」
大地はその言葉に
「あー!はやくしないと」
と言いカウンターへ向かった。
その一馬の言葉を気にしながらも大地は郁香には何も伝えず過ごすことにした。
時間が空きましたすみません。
今後も精進しますので応援をよろしくお願いします。