物語は再び〜第二部の幕開け〜
ここから第二部の始まりです。
作者の事情により、月2回…または不定期更新になりますが、よろしくお願いします。
これは…とある国の国王夫妻の物語ー。
国王ジークフリートの王妃……アンナは《悪女》と呼ばれていた。
平民でありながら、国王の寵愛を受け正妃となった絶世の美女。
国王を誑かした《悪女》。
そんな噂があるアンナだが……噂こそがジークフリートの狙いだと言うのは王宮内でも知る者は少ない。
そう……《悪女》という噂がジークフリートが企んだ策であるのだった。
隣国の女王の女としての自尊心に喧嘩を売るため、《悪女》としての振る舞いを求められた。
契約でしかない関係。
それでもアンナとジークフリートは少しずつ想いを重ねた。
色々な人と関わり合いを持ち…様々な困難を乗り越え……二人は本当の夫婦となる。
これは……そんな国王夫妻の……輝かしい日々を書いた物語であるー……。
*****
「って感じで再開しようと思うんだぁ〜」
アンナは王妃の部屋でお茶をしながら、目の前の人気小説家フィルチェの満面の笑顔を見て…顔を顰める。
「………輝かしい日々ではないのだけど…」
「まぁまぁ。こういうのは掴みが大切なんだよ」
アンナは呆れたような溜息を零した。
フィルチェはアンナ達、夫婦の日々を小説として書いている小説家だ。
本の主人公でもあるアンナが彼女にジークフリートとの日々を問われるのはいつものことになっていて。
今日も今日とてアンナの夫であるジークフリートとの話を根掘り葉掘り聞かれていた。
「《銀翼館のメイド奮闘記》?の方は連載、終わったの?」
話を誤魔化すようにアンナが言うと、フィルチェは「あぁ…」と頷いた。
「終わったよ〜。他の国は凄いね…ファンタジー過ぎて驚いた」
「ファンタジー?」
「うん。天使が出てきたり悪魔が出てきたり……」
「それは…流石に無理があるんじゃ……」
「いや、その国の国王陛下に聞いた話だから本当だと思うよ」
「はいっ⁉︎」
アンナは彼女の思わぬ友好関係の凄さに目を見開いた。
「まぁ…という訳で」
「という訳って何……」
「《悪女と呼ばれた王妃は安寧の夢を見る》の第二部、開始するから……またイチャラブな話をよろしくね‼︎」
「…………………うっ……」
アンナは頬を赤くして目を逸らす。
《悪女と呼ばれた王妃は安寧の夢を見る》……第二部の幕開けー……。




