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不可視の異能剣士生  作者: 与一
2/5

一章

どもども長らくお待たせしました。

この作品に関してはのんびりやるといいましたが、こんなに遅くなってしまって申し訳ないです。

それでも、とんでもねぇ待ってたんだっていう方がいればうれしいですね。では

ごゆっくりどうぞ。

俺はポケットに入れていたスマホを取り出し時間を確認する。

すでに時刻は8時15分もう走らなければ間に合わないほどの時間だった。


「畜生・・・。こんな朝早くから走らないといけないなんてしんどすぎる」


自分のせいだということを忘れて愚痴った。

そんな少し荒れた心を桜の花びらたちがひらひらと舞、落ち着かせてくれる。

春の季節のことも合って、暑くはないが走ったおかげで汗が流れる。そこにさわやかな風が通り過ぎ、目を閉じ、季節を感じていた。

春は俺やじっちゃんが好きな季節でもある。よく縁側でお茶を啜っていたっけな・・・。

なんて昔のことを思い出していても時間が止まるわけでもなく、さらに自分を追い込んでいた。



今から向かおうとしている学院、更科演術学院。

パンフレットを見てみたが、どうやらほかの学校とはまったく違うシステムらしい。

よくは知らないが、ランクによって変わっているみたいだ。

学科とかはないみたいなのでそのランクかなとは思うんだけど、以前に姉さんに聞いてみたら、


「・・・ふむ、まぁ。なんというか本人しだいという感じだな。」


とか、少し歯切れが悪い感じだったのを覚えている。


「一体、どんな学校なんだろうな。」


まだ見ぬ、高校生活。わくわくしているし、緊張もする。

だけど今の一番の問題は、


「遅刻するかもしれないって言うことなんだよなぁ!」


陸上部も顔負けするほどの全速力を今日始めて発揮することとなった。




無駄に長い坂を上りきり、久々に肩で呼吸をしていた。


「ったく、ちゃんと鍛えていたんだけどなぁ・・・。

 というかまじでこの坂は長いな、心臓破りの坂か何かか?」


後ろを振り返り、またもや愚痴を零してスマホを開いてみる。

現在の時刻8時25分、本来ならぎりぎりの到着なのだが、今日が入学式ということもあって20分に開始である。つまり・・・、


「・・・あれだけ急いだっていうのに遅刻じゃねぇか。まったく損した気分だな。」


門の前で座り込み、はぁ~っと長いため息を吐く。

走りつかれ、体力を回復していたところにまったりというかのんびりしたような声がかかる。


「あら~、新入生?こんなところで油を売っていたらだめじゃない。」

「あ、はい。すみません。」


お辞儀をして謝り、顔を上げると、そこには姉さんと年の近そうな女性が立っていた。

なんというか、ボン、キュッ、ボンの一例でも見ているかのようなグラマーな女性だった。

思春期である俺は直視できないかのようなずっと見ていてはいけない人物だ。

俺は視線を上のほうにもっていき、出来るだけ下のほうを見ないようにしていた。


「もう、入学式は始まっているわよ~。こんなところにいるということは遅刻かしらね~。」

「いや~、ははは。やっぱり遅刻でしたか・・・。」

「そうねぇ~、私が案内するからついてきて。」

「ありがとうございます!俺は早瀬真司って言います。」


気のせいだろうか、俺の名前を出したら驚いていたような雰囲気だったが・・・。


「・・・・・・そう、あなたが真司君か~。」

「え?何か言いました?」

「ううん、私は鹿野かの しずく。ここの保険医をしているわ。

 ケガがあったら保健室にいらっしゃいね~。」


まぁ、そんなに怪我をすることはないはずだから、先生に会えることは少ないかもしれないな。

それにしてもこの学院はかなり広い。

門について案内してもらっているのだが、迷子になりそうなほどの敷地を持っていた。

体育館が3つ、グラウンドも3つほどある。

今もどこかのグラウンドで声が聞こえてくる。


「はぁ、この学院ってかなり広いんですね。」


パンフレットを見つつ、独り言のようにつぶやいた。


「そうねぇ、生徒同士で決闘なんてやっているから。いろいろと建物とかグラウンドが多くなっちゃって。」


・・・・・・ん?決闘?

今なんか、学校には似つかない殺伐とした言葉が聞こえてきたような・・・・・・。

すると、どこからか雷が落ちる音がした。空はまだうざいくらいの快晴なのにも関わらずだ。

先ほどのグラウンドからもうるさいくらいの歓声が聞こえてくるくらい。


「・・・・・・。いや、あの。なんか雷が・・・・・。」

「あらら~。今年は元気がいい子が多いわねぇ~。」


なんでそんなに落ち着いて、物事を捉えているの!?

これっておかしいよね!おかしすぎるよね!?

痛む頭を抑えつつ、気のせいだと思い込むことにした。


「っと、そろそろ体育館に着くわよ。心の準備はいい~?」

「・・・えぇ、とっくに出来ていますよ。」

「それじゃ、私はこの辺りで保健室に戻るわね~、まっすぐに行けば着くから~。」

「わかりました。ありがとうございます。」


それじゃ~ね~っといいながら手を振る鹿野先生と別れ、教えられたようにまっすぐ体育館を目指す。



歩くこと数分、体育館に着き扉の前で何度か深呼吸を繰り返す。

遅刻したからなのかわからないがドクドクと心臓が波打っていた。


「・・・・・よし!」


覚悟を決めて、扉を勢いよく開けた。そこにあったものとは・・・・・・!

誰一人としていない、椅子だけが置かれた体育館の中だった。


「なんでやね~ん!」


思わず、関西弁で突っ込んでしまうほど見事に人がいない。

だが、それは真司からの見ていた光景であって、実は教壇の下に人がいるなんて気づきもしなかった。


「うひゃ!ご、ごめんなひゃっ、いたっ!」


恐らく、教壇に頭をぶつけたであろうゴン、という鈍い音が聞こえていた。

誰もいないと思っていたので声が聞こえたときには赤い顔をしていて、こほんと咳をして冷静になろうとしていた。

おそるおそる教壇のほうに近づき、声をかける。


「・・・・・・あ、あの~?大、丈夫ですか?」

「・・・むむむ!お主の仕業か!」

「す、すみません・・・・・・!」

「まぁ、よい。それでお主は何でこんなところにいるのだ。まだ、終わってないと思ったから寝ていたというものを・・・。」


最後のほうは独り言と思うのだけれど、がっつりと聞こえているせいでなんと返したらいいのかわからないよ・・・。

教壇からのそのそと出てきた人物をまじまじと見ていた。

もう驚いたね、なんていったって子供くらいの背丈しかないのに威厳があるからだ。


「・・・こ、子供?」

「誰が子供じゃ~!」


メッチャ怒られた。でもまぁ、世界はいろんなこともあるし、そんなこともあるか・・・。

ようやく出てきて、教壇から前を見ると顔しか出ていなくて、微妙にホラーな感じになった人が、


「まったく・・・、わしはこの学校の生徒会長、桜宮かなじゃ。以後、よしなに。」


せ、生徒会長だとぉ!

や、やべぇ、俺はとんでもない失礼を犯していたんじゃ・・・!

というか、遅刻した早々にこれかよ!嫌な感じに目をつけられたらどうしよう・・・・!


「・・・ふむ。そういえば、お主は新入生じゃな。

 まだ、実習が終わっていないと思っていたんじゃが、終わったのかえ?」

「い、いや~、それがですね・・・。」


うわぁ、どうしよう。

来たばかりだから周りが何をやっていたのかしらねぇし、うぅぅ・・・。

本当のことを言うしかないよな。


「実は遅刻してしまいまして・・・。」


俺は素行が悪いといわれて怒られるのではないかとびくびくしていたのだが、返ってきたのは思っていて言葉ではなかった。

会長はこちらに笑みを浮かべていた。


「今回の主役はおぬしら新入生じゃ怒るわけがなかろう。」

「え?」

「なんじゃ、、そんな意外そうな顔をしおって、怒って欲しかったのか?」

「え、いや、そんなわけでは・・・。」

「では改めて・・・。こほん。」


俺はピシッと前にならえのようにきれいに立ち、これから言われるであろう言葉を待っていた。


「ようこそ、更科演術学院へ。お主を歓迎しよう。」


体育館の中に暖かな春の風を浴びて、改めて俺は高校生になったということを実感した。

どうでしたか?

まえのやつより比べたらなかなかいい作品が出来たと思ってます。

これからものんびりやると思うので長い眼で見て待っていてください。

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