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悲しき天使の独奏歌(ソロソング)  作者: 霜月 めいこ
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第一章 天より舞い降りし美しき天使④

学校が終わり、帰宅部であるオレはすぐ家に帰った。


姉ちゃんはバイトだからまだ帰ってきてない。

仕方ないので庭に隠してある鍵を使って中に入った。



洗面所で手を洗い、水を飲もうと台所に向かった。


台所に向かう途中のリビングの机の上に、真っ白で綺麗な羽が1枚置いてあった。



"そういえば夢に出てきた天使もこんな綺麗な羽を生やしていたな…。"


なぜ羽が置いてあるかというよりそっちを先に考えてしまった。

よっぽどあの天使を意識しているのかもしれない…。


なんとなく部屋に持って行こうと思い、羽に触れた。

すると突然羽が輝き、思わず目をつぶってしまうほどの眩しい光をリビング中に放った。


「この下りってまさか…いやいやそんなことはないだろ!いやでもそれだったらなんで羽が突然光るんだよ!。」


普段雄斗や純麗に、"冷静でクール"と言われてるオレでも、さすがにこの事態には自分でノリツッコミしてしまうほど動揺してしまう。




光が収まりだした途端、羽を生やした少女が現れた。

なんとその少女は夢に出てきた天使だったのである。


唖然として何も言えないオレにはおかまいなく、


「ご契約ありがとうございますご主人様。私は天界からやってきた天使で、ハミルと申します。今日からよろしくお願い致します。」


とオレをご主人様と呼び、自己紹介した。



夢の中のではなく、現実を見て改めてハミルさんは美少女だと思った。

容姿端麗で声が綺麗なところも夢のままだった。

本物に会えることを本当に望んでいたので、しばらく見とれてしまった。



しかし、ハッと目が覚めて、


「ご…ご主人様!?それに契約って一体何!?。」


とハミルさんに聞いた。



焦りまくりのオレとは裏腹にハミルさんは、


「先程私の羽に触れましたよね?あれで私との契約が成立致しました。」


と無表情で淡々と言った。

いやだからオレが言いたいのはそういうことじゃなくて…。

そう言おうとした途端再びリビング中が光りだして、姉ちゃんと同じ位の年と思われる女の人が現れた。

もちろん羽が生えている。


「もーハミルったら!!私を置いて行かないでよ!!。」

「ごめんなさいサラお姉様。」


女の人に怒られてハミルさんは謝った。



「さてと…。」


サラという名前らしき女の人はオレの方に向き返って、


「突然現れてごめんね。私の名前はサラ。ハミルの姉です。この事態の説明だけをしにやってきたから、説明をしたら私は帰るわね。」


と自己紹介をした。

ようやく念願の説明役が現れてくれた。



髪と目の色は同じだがハミルさんとは似てなくて、もちろんサラさんも綺麗な人だと思うが、ハミルさんの方が顔立ちがいいと失礼ながら思ってしまった。



「オレは隅山響也といいます。とりあえず契約の説明をお願いします。」

「じゃあハミルの説明からさせてもらうわね。」


サラさんが説明しようとした途端、鍵の開く音がして、ただいまーと声がした。

最悪のタイミングで姉ちゃんが帰って来てしまった。



「聞いてー響也!!今日バイトの日じゃないのに間違えて…。」ドサッ。


そう言いかけて姉ちゃんはハミルさんとサラさんを見て、驚きのあまりカバンを落としてしまった。



「あんた…彼女がふた…。」

「違う、オレもこの状況が飲み込めてないからこの2人の話を聞いてくれ。」



オレは姉ちゃんの言葉を遮って否定した。

ハミルさん、サラさん、姉ちゃん3人での自己紹介タイムを終え、オレは姉ちゃんと一緒に話を聞くことになった。

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