第一章 天より舞い降りし美しき天使③
─── 話し終えてから、しばらく2人は黙り込んでしまった。
そして20秒後、純麗は重い口をひらいた。
「…世界が崩壊するって…怖いね…。その天使は知り合いとかの顔?。」
オレは首を振った。
「そっかぁ…なんか小説とかに出てきそうだね。」
確かにそれは思った。
オレと純麗がすっかり考え込んでしまった中、雄斗が、
「女子にはほとんど興味を示さない響也が可愛いって言うのか…見てみたいな…。
そんな子に会えたら、ここが崩壊してしまう恐怖なんて忘れるだろうなー。」
と、ポカーンとしながら言った。
「…お前のそういうところにはつくづく呆れる…。」
オレは冷めた目で雄斗を見ながら言った。
「な、なんだよその目はー!そういうお前は女子に興味がなさすぎるんだよ!。」
と、オレの予想通りムキになりながら言ってきたので、もっとムキにさせようと思った。
そこで蔑むような目で、かつ唇を右斜め上にキュッと上げるという、誰もがムカつく〈超ウザい顔〉をしながら、
「オレは女好きの誰かさんのような愚かなやつにはなりたくねーなー。」
と言ってやった。
策略通り雄斗は顔を真っ赤にしながら、
「この冷血!ドS!。」
とオレに叫んだ。
こう言われて快感を覚えるオレは本当にドSだなとつくづく思った。
オレ達のやりとりを黙って見てた純麗が、こらえきれなくなったのか、突然大笑いしだした。
「ハハハッ!クールな響也と感情的な三宅くんって性格反対だけど仲いいよねっ!。」
と、大笑いされながら言われたので、思わずオレと雄斗もつられて笑ってしまった。
「雄斗、さっきはからかい過ぎた。ごめん。」
と、オレは軽く謝った。
「許ーす!ま、まぁ、お、お前のからかいにはもう乗らねーよ!。」
と、強がって若干震えながら言っているが、このセリフは今までで何十回と言っているのである。
オレは笑いをこらえて、そうか、ありがととだけ言った。
「…にしても…やっぱり純麗ちゃんはオレのことは苗字呼びなんだな…。」
と、悲しそうな顔で雄斗が小さく呟いたのをオレは見逃さなかった。
当たり前に純麗を呼び捨てしてるが、呼び捨ての良さがいまいちわからなかった。
"苗字で呼ぶのと呼び捨て、くんやちゃん付けと付けない呼び方はさほど変わらない気がするけどな…。"
と思い、響也は今は呼び捨ての良さをわからない状態であった。
こうやって笑い合っていると、夢のように世界が崩壊してしまうことが信じられないと感じるほど、この2人といるのは本当に楽しいと改めて思った。
キーンコーンカーンコーン…
時間はあっという間に過ぎ、1限目の開始を告げるチャイムが鳴りだした。
オレ達は急いで授業の準備をした。