第一章 天より舞い降りし美しき天使①
「……はっ!!」
そう言ってオレは勢い良く起き上がった。全身汗まみれだった。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…これでこの夢連続3回目だぞ…。」
オレは先程の天使の夢を3日連続見ているのである。
その天使は、綺麗な金色の髪と深い青色の目を持っていて、リボンやフリルのついた真っ白なワンピースを着ていた。
ちなみにオレは、自分で言うのもアレだがこの物語の主人公だ。
普通の男子高校生で、隅山響也という名前だ。
「あの超可愛い天使誰だろう…にしてもなんでここが壊れてたんだ…?」
汗だらけの体を洗い流すべくシャワーを浴びながらオレは夢のことをずっと考えていた。
すると、
「響也ーーーっ!!!いつまでシャワー浴びてるの!?早く支度しなさい!!!。」
姉の美音の怒声が風呂の外から響に渡ってきた。
そろそろ出ないと益々怖くなるというのをわかっているので、オレはシャワーを止め、風呂を出た。
言い忘れていたが、オレは大学二年の姉ちゃんと2人暮らしをしている。
音楽家であった両親は、オレが中3になる3日前に交通事故で亡くなった。
事故に遭ったのは、コンサートが終わって帰宅する途中だったという。