第32話 初依頼と行き倒れ
朝食を食べ終わると、イリスがいくつかのお弁当箱を持ってきてそれぞれに手渡した。
「お昼ご飯、用意しておきましたわ」
箱を開いて中を見てみると、一つ一つのおかずにかなり手が込んでいて、冷めてもおいしいように考えられているものであることが分かる。
栄養のバランスも良さそうであり、こういうものを人数分作るのに一体この娘はどれほど早く起きたのかと心配になってしまうほどだ。
しかし、少し考えてみれば、イリスは古代魔族であるから、睡眠についてはそれほど必要な種族ではない。
睡眠時間が短くて足りる以上、早起きが苦である筈がない。
けれどそれでも、こういう気遣い、というものが出来るこの少女に、ルルは改めて尊敬を覚えたのだった。
それは今回の同行者である三人組も同様のようで、呆けたような顔でお弁当とイリスを交互に見ながら、何を言うべきか迷っているように感じられた。
イリスはその表情を別の意味でとらえたらしく、小首を傾げて、
「……もしかして、不要でしたでしょうか?」
と、少し不安そうな顔で尋ねる。
三人組は慌てて首を横に振り、それからそれぞれ言った。
「いやいや! そんなことねぇって! ありがたい、すっごくありがたいよ!」
ガヤ少年は生意気そうな表情をどこかに置いてきたようにただひたすらにお礼を言った。
続いて少女ユユも、お弁当の匂いに鼻をひくひくさせてから、
「ありがとう、イリスちゃん……今度、作り方教えてね」
と言って喜んでいる。
最後にシャリカ少年だが、彼はまたもや物凄く申し訳なさそうな顔で、
「朝ごはんに、お昼ご飯まで……ほんと、ご迷惑をおかけっぱなしでなんと言っていいものか……!」
とこのまま平謝りしかねそうなくらい恐縮していたのでルルとイリスでなんとかなだめて事なきを得た。
それから、冒険者組合に向かうことになったのだが、三人組が先に家を出て行ったので、ルルも改めてイリスに礼を言った。
「悪いな、イリス……ここまでしなくてもよかったのに」
するとイリスはなんでもないことのように首を振って、
「やはり、まずは胃袋から、と申しますので……」
と何だかよく分からないことを言って家を出ていく。
ルルは首を傾げて少し意味を考えたが、答えにはたどり着けず、家の戸締りをしてから三人組とイリスの背中を追ったのだった。
◆◇◆◇◆
冒険者組合に辿り着くと、三人組は物凄い勢いで依頼票掲示板の前に飛んで行ってしまった。
ルルとイリスはそのあまりの早さに出遅れてしまい、冒険者組合入口にぼんやりと突っ立っている状態で放置されるような形になってしまう。
自分たちに冒険者のルールを教えてくれるのではなかったか、と思う反面、この様子では仕方がないのかもしれない、と冒険者組合の中の様子を見ながら考える。
そこには多くの人がひしめき合っており、特に依頼票掲示板の前はちょっと進むことを躊躇するくらいに大勢の人が取っ組み合いに近い形で群がっているのだ。
朝早く来たのに、なんでこれほどまでに混んでいるんだと、以前、冒険者組合に来たときの閑散とした様子と比べて首を傾げていると、
「初級冒険者は大体こんなもんだぜ」
と、うしろからふっと声がかかったので二人は振り向いた。
見ると、そこにいたのはカディス村からの幼馴染兼弟弟子かつ教え子のラスティ、それにミィとユーリが立っていた。
王都に来てからこっち、ほとんど会話する機会が得られずにいた幼馴染にルルとイリスは笑顔で話しかける。
「三人とも久しぶりだな……元気そうなのは分かっていたが、こうして見ると一端の冒険者だ」
その立ち姿を改めて見てみれば、三人とも村にいたときとは異なって、どことなく武具を身に着けている様子に無理がないように感じられた。
それはつまり、その姿でもって数か月過ごした経験があることによるものだと、過去幾度となく新兵が古兵になっていく過程を見てきたルルにはよく理解できた。
手紙でも、また噂でも聞いていた通り、三人ともこの街でしっかり冒険者をやっていたらしいことがこうして目で確認でき、なんだか感慨深いような気持になったルル。
そんなルルに、ラスティは笑った。
その笑顔も、昔のようにいたずら少年、という色一色ではなく、どことなく大人の余裕、というものが混じり始めている。
もちろん、ルルから見ればまだまだなのは間違いないのだが、それでも成長がみられて嬉しくなってくる。
ラスティは言う。
「まぁ、村にいるころと比べればな……」
ラスティの言葉を聞きながら、周りを見てみると、初級冒険者と思しき若者たちが、ラスティたちを何となく尊敬の混じった視線で見つめているのが分かり、ルルはそれを茶化すように言った。
「おいおい、随分尊敬されているみたいじゃないか。それでまだまだ、とか言われてもな……」
「こ、これは……いや、そういうのやめてくれって……なんか恥ずかしいんだよ……」
なぜ恥ずかしいのか、それはかつて魔王に就任したその瞬間に、バッカスの視線からルルが感じたものと似ていることを分かってはいたが、別に悪いことではないのだ。
多少茶化しても許されることだろう。
それに、こういうやり取りが出来る相手と言うのは貴重だ。
懐かしい感覚に、ルルは久しぶりに自分の心が解れているのを感じた。
そして話は最初にラスティの言った台詞に戻る。
「そう言えば、さっき言ってた……初級冒険者はこんなもの、ってどういうことだ?」
ルルのその質問に答えたのは、ミィである。
七年前と異なり、その髪の色は輝かんばかりに美しくなっており、身長も伸びて今ではかなりの美女である。
だからだろうか、冒険者組合にいる男性陣からかなりの視線を集めているのだが、そんな視線に全く反応しないあたり、もはや慣れっこなのかもしれない。
「それはね、初級冒険者の依頼は大体日帰りのものが多いからよ。出来るだけ朝早くに受けて、依頼成功率を上げようって言うことと、早く終わらせて帰ろうって言う理由があるの。それと……ほら、ああいう風に取り合いになることも少なくないから」
言われて、依頼票掲示板の方を見つめてみれば、二人の冒険者が一枚の依頼票を取り合って取っ組み合いに近いことになっているのが見える。
「譲り合いの精神はないのか」
ルルが呆れたようにそういうと、こちらもまた七年前とは格段に色気がつき、視線一つで男を手玉にとれそうな、妖艶な魅力を付けたユーリがため息を吐いた。
灰色の髪も、蒼色の瞳も、あの頃と変わっていないのだが、そんなため息一つが絵になりそうな、ミィとは対照的な魅力を放っている。
「そういうものが身に着くのはもっと上のクラスになってからね。ある意味ああいうのも大事なのよ。冒険者には、早い者勝ちって言う部分も大きくあるから、ああいう奪い合いの経験もあんまり大きな怪我の危険がないうちに身につけて、手加減を覚えていくのも必要だから」
その意見には納得のあるものがあったが、いかんせん村での様子ばかりが記憶に残っているルルからしてみると、こういうことを村の幼馴染が言うのは微妙に違和感があった。
大人になったのだな、と分かるがたった数か月しか経っていないのである。
月日の過ぎる速度と言うものを改めて知った気がして、なんだかがっくりきた。
そんなルルの様子を見て、イリスは、
「まぁまぁ……お兄さま。落ち込まないで……人は変わるものですわ」
魔族とはその速度が違うのも当然ですし、とルルだけに聞こえる音量で付け足したイリス。
ルルはその言葉に立ち直り、それから改めて尋ねた。
「そう言えば、お前らはまるで初級冒険者じゃないような口ぶりだが……その辺り、どうなんだ?」
その質問に答えたのは、ラスティである。
少しばかり気恥ずかしそうに、しかし誇りを感じさせる表情で彼は言う。
「あぁ、少し前に中級下位になったぜ。一応、これで冒険者としては一端、ってことだな」
冒険者のクラスで中級下位、と言うと、初級下位から見れば三つ上ということになり、ガヤ少年たちから聞く、一つクラスを上げるのに普通は半年以上かかる、との言葉から考えると、かなり早い上昇だという事になるだろう。
それだけの実績を示した三人の幼馴染に、ルルとイリスは素直な賞賛を送り、祝福する。
「それは凄い。頑張ったんだな」
「あれからどれくらい強くなったのか、心配になってましたが……そんな必要はありませんでしたのね」
ほとんど直属の師匠、とも言うべき立場にある二人に手放しに賞賛されて、三人はなんだか気恥ずかしそうだった。
しかし、三人が頑張ったと言うのは本当の事だ。
人を褒めるときはしっかり褒めるべきである、と部下を率いた過去の経験から理解している二人は、そんな三人を手加減などせずに、存分に褒め称えたのだった。
それからしばらくして、ルルとイリスがいないことに気づいたらしいガヤ少年が二人を見つけて走っていた。
どうやら二人が当たり前のようについてきているものだと思っていたガヤ少年は、しばらく気づかずに依頼票を見ていたらしい。
他の二人は未だに依頼票掲示板の前で取り合いの渦の中にいるようで、ガヤ少年はそれにルルとイリスを参加させようと慌てて走ってきたようだ。
「おい、こんなところで何やってるんだ……」
そこまで言いかけたところで、ルルたちの隣にいる人物が誰なのか気づいたようだ。
目を見開いて、
「ら、ラスティ先輩!?」
などと叫ぶ。
けれど、いかに尊敬している人がそこにいようとも、時と場合というものはしっかり理解しているようで、
「い、いや……今はそれよりも依頼を早く取らないと……すみません、先輩方! こいつらと一緒に依頼を受けなきゃならないんで、失礼します!」
そう言って、ルルとイリスを引っ掴んで依頼票掲示板の前の渦の中に進んでいく。
ルルとイリスはあの渦の中に入らなければならない、ということに虚ろな瞳になりながら、ラスティたちに苦笑するような目を向けて、手を振ったのだった。
二人が消えて後、ラスティはぼんやりと呟いた。
「……本当なら、俺たちがあいつらと一緒に依頼を受けたかったんだがな」
少しばかり寂しそうなその声に、ミィとユーリが言う。
「今はそういうわけにはいかないわよ。族長の指示なんだから。幼馴染だっていうのも、内緒。話すくらいは自由だけどね」
「そうそう……それに、あの二人ならすぐに私たちを追い抜いていくだろうし、そのころに一緒に依頼を受けたらいいのよ」
実際、ルルとイリスの実力は三人を遥かに凌いでいることを、村を出る直前に行われた模擬戦で痛いほどによく理解していた。
数か月冒険者をやってきたが、あの二人に敵うほどの戦闘能力を持つ冒険者にも、今のところ心当たりはないと断言できるほどにだ。
「ガヤ達がそのことを知った時の表情が楽しみだな」
ラスティはそう言って、依頼票掲示板の混雑を見つめていた。
三人が依頼を受けるのは、あの渦が消えてから。
それまでは、しばらくお茶でも飲んでいようかと、組合併設の酒場へと歩いて行ったのだった。
◆◇◆◇◆
人の渦にもまれながら、ルルたちは依頼票を取るべくその内容を吟味する。
とは言っても、そこにいる初級冒険者たちが吟味するような状況にないのはもちろんで、とにかく何でもいいから依頼票を、と言うのが近い気持ちではあるのだが。
ただ、ルルとイリスには高い身体能力がある。
どんな依頼がどこにあるのかは、ぱっと見で分かったし、あとはどの依頼を選ぶかの問題でしかない。
だからガヤ少年に尋ねる。
「どんな依頼がいいんだ!?」
声が届かなそうな喧騒が満ちているため、少しばかり怒鳴るような声になったのは仕方がない。
ガヤ少年も同じような叫び声で答える。
「薬草採取系! 日帰り!」
端的な返答であった。
しかし十分な返答でもあった。
ルルはイリスと目くばせしあうと、一つの依頼票に狙いをつけて、人の海をするすると抜け出してとってきてしまう。
それから途中でガヤ少年、そして人の群れに揉まれてダウンしかけていたユユとシャリカを拾って群れの外へと抜け出したのだった。
くるくる目を回している二人を見ながら、ルルはガヤ少年に質問する。
「こんな様子で大丈夫なのか?」
「戦いになるとしゃっきりするんだけど、こういう場はあんまり得意じゃないんだよな、こいつら」
その返答で、なぜこのパーティが数日がかりの薬草採取など受けることになったのか、何となく察した。
ガヤ少年一人に任せることになってしまったから、ああいうことになってしまったのだろう。
「ま……今回はその心配はなさそうだが」
ルルは取った依頼票に書いてある内容を読みながら、頷く。
ホシツル草の採取。
そこにはそう書かれていたのだった。
◆◇◆◇◆
王都の中から出て、そこから西に延びる街道を徒歩で歩く。
しばらくすると、あまり深くない、木々の閑散とした森が見えてくるのだが、そこが今回の目的地であった。
ホシツル草、というのは昔から存在している即効性のある低位傷薬の材料の一つで、常に採取依頼が出ている一般的な植物である。
その生息地は、ありとあらゆるところであると言ってよく、少し緑のあるところを歩けば、生えているのを見つけることは容易い。
ただ、ある程度の量を取ろうと考えたときには、その辺で、というわけにも行かず、森の中に分け入ることも考える必要が生じてくる。
今回の依頼では、採取量は特に指示されておらず、持っていけば持っていった分だけ、買い取ってもらえる旨、記載されており、そうであるなら森の中に入って探そう、という話になったのだった。
日が落ちるまで続ければ、それなりにいい金額になるだろう、と。
とは言っても、所詮は低位傷薬の材料である。
どれだけ取っても、たかが知れているという部分もなくはない。
ただ、ルルとイリスにしてみれば初依頼である。
こういう簡単な依頼をしっかりこなせてこそ、冒険者として一人前になれるんだとのガヤ少年の言葉に思いのほか感嘆し、きっちりやろうかと気を引き締めて取り組むことにしたのだった。
実際、ホシツル草の採取はそれほど難しくはなかったが、コツが結構あるらしく、ルルとイリスより、ガヤたち三人組の方が短時間で多くのホシツル草を採取できている。
少し悔しく思わないでもないが、こういうことは完全に慣れである。
親の手伝いでよくこういうことをやってきた、という三人に、そんなことはほぼ部下任せ、ということが多かった二人が敗北するのは仕方のないことかもしれなかった。
とは言っても、才能、というべきか、センスと言うものはルルとイリスが勝っている。
日が暮れるころには、ルルとイリスの採取量は、三人組の採取量と並ぶくらいになっていて、ガヤたちを驚かせたのだった。
もともと、昔からワーカホリックなところがある二人である。
単純作業に取り組ませたら、ストップがどこかからかかるまで一心不乱にやってしまう集中力があったのだ。
そうして、初めての依頼にしては十分な戦果を得た五人は、ほくほく顔で王都への道を戻ることにする。
ちなみにであるが、イリスの用意したお弁当は非常においしく、全員が残さず完食したのだった。
そうして、夕暮れ沈む街道の中、急いで街へと歩く三人組。
このまま歩けば、あと数十分で街に着くだろう、そういう時だった。
はじめに声をあげたのはイリスだった。
「……お兄さま。人が倒れております。不思議な服装ですね……真っ白な上衣に、緋色のゆったりとした下衣……この辺りでは見ないものですね」
「なに?」
言われてみると、街道のど真ん中にうつぶせになって倒れている女の子と、その隣にあおむけになって転がっている真っ白い子犬が一匹いた。
慌てて五人はそこまで駆け寄って、確認する。
生きているのかどうか、少しゆすったり、声をかけてみたりするも、反応がない。
けれど、
「……むにゃむにゃ……」
と、寝言がきこえて来た。
犬の方も足を少しばたつかせて、どうやら生きているらしいことが分かり、一同は安心し、それからこれからどうしたものかを相談しようとした。
いくら生きているとはいえ、このまま街道に放置しておくのは、夜になれば魔物も活性化するだろうし、危険だからである。
相談は最終的に、女の子は男性陣が順番に背負って連れて行く、子犬は女性陣が抱いて連れて行く、というところで落ち着いた。
「じゃあ、持ち上げてくれ」
そうルルが言い、ガヤとシャリカが女の子をルルの背中に背負わせるべく持ち上げようとしたそのとき、かっ! と彼女の眼が開き、それからくんくん、と鼻を利かせ始めたので、一同は驚き、どうしたのかと首を傾げる。
すると、少女の鼻は徐々にイリスの鞄へと近づいていき、それから頷くと、イリスに小首を傾げて、潤んだ瞳で彼女を見つめた。
イリスは首を傾げ、
「……なんでしょう……? あっ」
なにかに気づいたように鞄に手を突っ込み、それから見覚えのある箱を取り出し、それを開いて少女に手渡した。
見ると、それはお弁当箱であり、全部食べたはずなのに中身が入っている。
「もし足りなかったときのことをかんがえて、余りを入れておいたのですけど……お召し上がりになりますか?」
少女はそう聞かれて、初めて言葉を発し、
「い、いいのですかっ!? 私に、これをくれるとっ!?」
と言った。
イリスはその様子にふっと笑い、ルルにいいですわよね、お兄様、と聞いたのでルルは頷いて答える。
それからイリスは少女にお弁当箱を手渡すと、がつがつ食べ始めた。
どうやら相当腹が減っていたらしい。
倒れた理由もまさかそれか、と思いながら見つめていると、いつの間にか目覚めていたらしい白い子犬の方も食べる少女の横にちょこんと座って、前足で少女の太ももをてしてし叩いていた。
子犬も腹が減っているらしい。
それに気づいた少女は、
「あ、そ、そうですね……この子にあげても?」
とイリスに聞く。
イリスがそれに頷いて答えると、少女は子犬とお弁当を半分こして食べ始めたのだった。
◆◇◆◇◆
「はー……ごちそうさまでした! 結構なお手前で……」
どこかとぼけた様子でそんなことを言っているが、感謝しているのは事実のようである。
ルルは色々聞きたいことはあったが、とりあえずまずは、ということで名前を聞くことにした。
「それで、君の名前はなんだ?」
「あっ、私の名前はキキョウって言います! 朝霧桔梗! こっちの名前だと、キキョウ=アサギリになるのかな? それで、この子は風花! 女の子です!」
子犬の名前まで教えてくれた。
行儀良さそうにお座りしていて、非常に賢そうだ。
いっそ、飼い主よりも。
出来ることなら詳しいことを聞きたいが、日もそろそろ落ちる。
ここでのんびりしているのは危険だろう、と思ったルルは言った。
「聞きたいこともいくつかあるが、ここにいるのは危険だ。俺たちは王都に戻るが、君はどうする、キキョウ」
そう尋ねると、キキョウは手を挙げて、
「はいっ! 出来ることなら私も連れてっていただけると! ついでに宿も紹介していただけるとっ!」
などと言った。
服装と言い、目的と言い、一見して訳の分からない少女ではあるが、悪い娘ではなさそうだとその雰囲気から感じ取った五人。
それから、みんなで頷きあい、彼女の同行を許したのだった。