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8/3 朝  兄弟喧嘩2

お兄ちゃんを見下ろす。

廊下の床と壁に血が飛び散っている。

お兄ちゃんは俯いて血の落ちる様を眺めている。

「きちゃダメだよ。セリカ。ガラスが散ったから」

動こうとしたら、止められた。

「隆維、ガラス掃除して。涼維はセリカをそっちの家に連れて行って」

気まずげな表情で下のお兄ちゃんたちがお兄ちゃんの指示に従う。


「行こう。セリカちゃん」




そんな夜を過ごした次の日、私はミアちゃんとノアちゃんを連れてビーチのラジオ体操会場に急ぐ。

黒づくめにマント。顔の上半分を隠すカラスのお面。

他の近所の子達ともう遊んでいた。

「おはよう。カラスマント」

「うむ。良い朝である。皆もよく眠れたか?」

口々にカラスマントに答えが返る。

満足げに頷くカラスマント。

「今日も元気に朝の運動である。大きな声でー。おはよう!!」

いつもと変わらない朝の光景だった。


違ったのは、ラジオ体操の後。

いつもならみんなで遊ぶ。

今日はお兄ちゃんはビーチのライフセーバーの女の人としゃべっていた。

「昨夜は楽しかった」とか「お使い頼むわね」とか「また泊まりにきてね」とか聞こえてきた。

そして「喜んで」と答えているエロガラス。


怪我とか心配してたのに!!






旧水族館うちでの朝ごはん。


鎮お兄ちゃんは戻ってこなかった。


千秋お兄ちゃんは少しイラついたふうを見せたが一度深呼吸したあとはいつもの笑顔で朝ごはんを出してくれた。

隆維兄と涼維兄が顔を見合わせてから黙ってご飯を食べている。

食べ終わった隆維兄涼維兄は片付けもそこそこに何かをしていた。



「セリは今日どうする?」

隆維兄が聞いてくる。

汐姉のとこに行くかどうかの確認だ。

「いく」


べるべるもくるもんねー







「こじれてるな」

「こじれてるねー」

後ろで隆維兄と涼維兄が頷きあっていたのを聞きそびれていた。


プチ家出中のカラスマント。

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