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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
五月・六月
8/823

6/2 日曜の朝の海

あさー



「海ーーー!!」




近所迷惑な男の大声。


「うるさいわー!」

うろな東の海岸線。

海で叫ぶ人間は結構いるので普段は気にしないが、日曜の朝7時からやられるとくるものがある。

俺は日生鎮ひなりしずめ

海岸沿いに建つ元水族館、今は自宅兼老人憩いの家はその声がダイレクトに聞こえる位置にある住人だ。

「あー。ごめん。うるさかった?」

「おう。おっさん、時間帯考えて喚けよ」

ジーンズにTシャツというラフな格好のおっさんが照れたように頭を掻く。

「最近うろな町に引っ越してきて、ようやく雨が止んだのが嬉しいわ、ちょっと足を伸ばしたら海があるわで興奮しちゃってさー」

あははと豪快に笑う。

特殊なテンションはすっかり存在が当たり前になった天狗仮面に通じるものがある。

つまり危険性の低い不審者だ。

んーまぁいいか。

「わかればいいんだよ。わかれば。んじゃあ、そういうことで」

さ、帰ろ。


「おはようございますー。先輩」

海の家の建物の影から少女の声が聞こえた。

高校の後輩、四季恋歌しきれんか

たまに朝食を食べにくる。

「おはよう。今日は上条抜きか?」

「抜きですー」

海の家で待ってればいいのにこっちによって来る。

「じゃあ入場料100円なー」

「先輩。もう高校に入って二ヶ月です! 達也の影響受けすぎです!!  あ、おはようございます」

おっさんにも挨拶をする四季。さすが礼儀正しいお嬢様。


「おはようお嬢さん、入場料って?」

四季に挨拶を返して俺に聞いてくるおっさん。

「海の家の入場料。大人500円子供100円、軽食ドリンクフリー付海開き中は一般開放無料軽食フリードリンクなし」

ぱあっとおっさんの表情が明るくなる。

「500円だな!」



ぐぅうーっと漫画みたいな音がする。



「ぇーえーっと、まいどあり。堪えてる方が失礼だぞー四季」


自宅である海の家へ二人を引き連れていく。


「おはよう。おかえりー」

迎えてくれたのはおじさんと小学生数名。

「おはよーー!」

日曜の朝、巨大モニターで特撮アニメを見ながら朝ごはんが100円というプランを利用するちびは多い。

「おー」

ちなみにお出迎えの子供達に混じった四季を見て弟の千秋ちあき

「入場料100円だよー」

「千秋先輩まで!!」

千秋が俺の方を見てくる。

うん。俺もやったー。






白黒さんのところの恋歌ちゃんとちらりと天狗仮面様お借りしました

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