7/22 反省を要求する。
呼び鈴が鳴る。
「えっとー。さーやちゃん?」
「私が出ます」
あっちゃんは正座。
声のない命令にあっちゃんがため息をこぼす。
「はーい」
きれいな黒髪と今はちょっと座った感じの黒い瞳。
それがきょとんと見開かれた。
「あれ?」
「はい」
「さーやちゃーん、太陽さんだと思うから入ってもらってー」
奥からあっちゃんの声が届く。
相変わらず腹が立つほど通る声だ。
「どうぞ」
「はーい。ありがとー。はじめましてだねー」
「ええ。はじめまして日生沙夜香です。兄と姉がお世話になってます」
「お茶の準備でも、」
「あっちゃんは正座」
「あー。そのままで♪」
あっちゃんが立とうとするので止める。
太陽さんもそのままを維持させる方を選択。
気まずそうな表情を浮かべるあっちゃん。
「あー太陽ちゃんだー。いらっしゃーい。って、あっちゃんどうしたの?」
「強制反省中」
太陽さんがいたずらっ子の表情で私とハモる。
なんかやったのって表情であーやちゃんがあっちゃんに視線を送る。
「一応さ、話はついてたんだよ? 鎮に司会やらせる時点でCM挟ませるのは酷だろうって話になってたし」
さっきの少年とあっちゃんのやり取りを思い出す。
「教えておいてあげないからこうなるんでしょう?」
「特に何も言い出さないから司会進行集中で了解なのかなーっと。太陽さん、痛い。痛いって」
「こっちもあの展開は驚いたんだよねー。ちょっと迷惑かなー」
「んー。あっちゃんが悪いね。鎮の能力の低さはおいとくとして」
あーやちゃん、ひどいよ。
「せっかくやる気だったし、司会進行一本でがんばらせた方が無理がないかと思ってねー」
「なら、宗一郎君のほうにはそのことを伝えておくべきだったんじゃないのかなー?」
あ。ほんとだそれで何とか対応しそう。
あの子、妙に手馴れてたし。
「鎮も千秋も自分のやりたいことなら調べるし、聞いてくるんだけどなー」
「誰でもそうだよねー」
あーやちゃんが言いながらグラスを四つ持ってくる。
片手には。ちょっと。
「おー。原液もってきたー♪」
「うふふー。さらっぴんー。マンゴーと白桃あったから白桃もってきちゃった」
あーやちゃんたら原液2リットルパック持ってきたよ。
「うちの子たち、イベント系は言われたからやってるだけだしー必要以上の期待はしないー」
「だから、宗一郎君!」
太陽さんとまたハモる。
「ノウハウ教えたのあっちゃんなんだって~?」
ぇ?
「ちょっ。ちゃんと状況が出来てるって思って普通じゃない! 教えてくれた人が関係してるイベントでそこが抜けてるなんて思わないわよ!?」
「だよね~」
「かんぱーい♪」
「かんぱーい♪ はい。さーやちゃんも」
「あ。かんぱーい♪」
ビールの入ったグラスを差し出される。
受け取ってあわせる。
「で、けつろーん」
あーやちゃんがグラスを掲げる。
「あっちゃん。有罪だと思う人ー」
グラスが三つ高々と上がる。
「ゆうざーい♪」
「宗一郎君には言っとくべきでした。反省します」
あっちゃんが反省を表明する。
宗一郎君といつ知り合ったのかを聞くと随分前のコスプレイベントとのこと。
好きだもんね。あっちゃん。
てゆーか
「小学生にナニ吹き込んでるのよ」
「聞かれたんだよ。イベントにもっと来たいし楽しいしどうしよう?って」
「で?」
「イベントを開催してるほうも嬉しいことがないとね。って言った。きっかけはそれだけ」
「あっちゃーん。つまみ追加ー」
「はいはい。さーやちゃんも飲んでおいでよ。おつまみと氷持ってくるから」
太陽さん借りてます。




