六月一日朝のペットショップ裏側
ペットショップにアルバイトがきたよ!
「まーくんは動物は好きかしらー?」
雨の中きてくれた男の子にお茶とお菓子を出しながら尋ねてみる。
お茶は温かいもの。昨日よりましとは言え、雨は体を冷やすものねぇ。
緊張してるのか、じっとこちらを見てる。
かわいいわー。
「まーくん? 基本はわんちゃんのお散歩バイトよー。ドッグランか、河川敷までのお散歩。気をつけることは落ちてるモノを食べないよう気を配ること、他の犬と喧嘩させない。糞の後始末。あ、興奮して暴走することがあったりするから、滅多にないけどねぇ気をつけて。お散歩ひとくみで三千円。拘束時間が一時間から二時間、ふたくみいってくれたら六千円」
一呼吸
「昨日や今日みたいに雨が強すぎる場合はお休み。お天気に影響は受けちゃうわね。他にもお仕事はあるから、相談してね」
んん〜
「おばさんのところ以外でも紹介してあげるからイヤなら言って頂戴ねぇ」
ハッとした表情。
うーん、嫌われちゃったかしらー?
「いやじゃありません!」
あら?
いやん。
慌ててる姿がかわいーわぁ。
「じゃあ採用ねー。お散歩は地面が熱くなっちゃう前にするから、雨の降ってない日の朝5時にお店まできてね。初日はうちの娘が案内するからだいじょーぶよぉ」
「は、はい」
「じゃあ。よろしくね。まーくん」
「え? まーくん呼びに驚いて戸惑っていた?」
可愛わー本当にかわいーわぁ
のぶちゃんじゃダメねー。
「よし。まーくんが嫌ならまーちゃんでイイわよね。さぁ、とりあえずはおやつ食べちゃってね。あ、お茶は冷たいの?温いのがいいー?」
フゥ。いきなりこのおばさんの相手にまともな会話が続けられる力はきっとまーちゃんにはないと判断し、発言反応を思いっきり絞らせてもらいました。
これ以上動かすには構成力が足りなかとですーー