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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
五月・六月
37/823

7/1 食事の後  雨の夜

なんか、暗い。。。?

「いじめちゃダメあるよ」と清志さんに注意されながらクトゥルフを出る。

まだ雨がふっている。


「信じられねぇ。鎮最悪。マジ悪魔だ」

「千秋ー。」

「んっだよ。むかつく」

「四年前さー、俺ちょっと、荒れたじゃん?」

「はぁー? うん。あったけどソレが何?」

コレだけのやり取りで聞くモードに入る千秋は素直だと思う。

「そんときさー。父親の親戚っていうのに会ったんだよねー」

















沈黙が続く。




千秋は動きを止めている。






レインコートと傘の上に雨粒が弾ける音がする。








「僕らが知ってる『父親』は芹香達の父親だろ?」


芹香の父親と俺達の父親は違う。

芹香『達』となるのは芹香と父親が同じ異母兄が二人いるからだ。

ちなみに上の兄貴は40才を超えてたはずだ。





「だから、俺達・・の父親」


「何でいまさら言うのさ」

拗ねたような突っぱねるような口調。



「うん。言っとこうと思って。また接触してくるかもしれないし、俺としては拒否りたいけどソレはお前の判断になるから」

「拒否り……たい?」

「そう」

あの時あの男は

「『あの女は親として相応しくない』母さんを『あの女』なんて評した相手となんか俺は関わりたくない。だから。千秋にも知らせたくなかった」


実際、伝えないと判断したのは公平ではないけどね。

でも、悩むと思ったから。

嫌な思いをさせたくないと思ったんだよな。

あの後ネットで調べていくつかソレっぽい情報を見つけて気分が悪くなった。

髪を染めるようにしたのも高校に入ったのを機にカラコンを使うようになったのも四年前の接触が起因になった。

特に疑問を差し挟むことなく千秋は俺に合わせてくれた。

千秋は『外人ぽい』のを嫌がってると思ってるようだけど、俺としてはどうでもいい。

その他大勢がどう思っていようが関係ないからなぁ。


でも、たぶん、父親譲りの色はもしかしたら母さんに恐怖を覚えさせるのかもしれない。

その考えに至った時、俺は荒れた。

学校サボったり、遅くまで家に帰らなかったりしたくらいだけどね。

小梅先生に迷惑かける時に見せる反応見たさにいろいろやったりもしたけど。ちょっとだけだ。


『他人に迷惑はよくない』そう言って『連帯責任うろな町外周一周レース』を決行されたのはいい思い出だろう。


あの時、

一番は自分が存在することがいやだった。


そう思ったから千秋は知らなくていいと思った。


今、俺がコレを千秋に伝えているのはまた接触があるかもしれないからなのか。

それとも、人を好きになって幸せそうな千秋を壊したいのかわからない。


この状況で千秋はこのことをどう受け止めるんだろう?



「よねん」


「ん。四年前だな」


傘が地面に叩きつけられる。


「わかんねーよ」


「そうか」



「少し考えてから帰る」


「わかった」


千秋は家とは違う方に向かい、俺は傘を拾って帰る。


その夜、千秋は帰ってこなかった。

クトゥルフ清志さん引き続き借りてます。

梅原先生回想にちらり出演していただきました。


鎮。マザコンのブラコンですかね?

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