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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
五月・六月
33/823

お疲れ様でした

「ちょっと待て。この着替えは何だ?」

「梅原先生。かわいーですー」

 梅原先生がナイスバディの二人にもてあそばれている。

「あの、コレ着るんですか?」

 さなえさんが微妙に不愉快そうな声を上げる。

「天音ちゃんはどんな着替えがイイですかねー」

 鈴音はシャワーをさっさと浴び終え、芹香ちゃんが着替えを貸すということで走り去っていった。

 うらやましい気がする。

 三春おじさんは留守番組の食事があるからといって途中リタイア。


「柊子ちゃんと、時雨とタヌキにご飯をあげないとね」


 宗兄さんと出はご飯食べれるんだろうか?


「天音ちゃーん、どれにするですかー?」



 はぁ



 どれが一番、マシなんだろうか?



 ◇




「清水せんせー。おつかれっすー」

「……隆維の方だな?」

「涼維。ココで潰れてまーす」


 シャワーブースから手だけ振る涼維。


 マゾ清水苦笑。

「相談があります」

「えー。父さんに叱られないー?」

 涼維が力なく警告してくる。

「水着コンテストの話知ってますよね?」

「ああ」

「梅原先生の出場の後押しをおねがいします」

「山辺さんが倒れた日ちゃんと清水先生にお願いするつもりだったんですよー」

 涼維が言葉をつなぐ。


「こらー。コンテスト参加者勧誘は禁止だろー」

 鎮兄の声が更衣室の方から聞こえる。

「参加者勧誘じゃないからイイと思ったー」

「あー。清水先生が出場するわけじゃないもんねぇ」


 二人で言い訳を紡ぐ。


「ちょっ! チビども妙な想像させんな。さいあくーー」


 って、鎮兄想像しちゃったのか。


 うーん。



 物好き?



「うわっ。 ちょ、清水先生大丈夫?」

 涼維があわてた声を上げて、マゾ清水のブースを覗き込む。



「えーー。鼻血って何でだよー」




 ◇




 皆さんの善意で揃えられた料理をテーブルにセッティング。

 ミアちゃんもノアちゃんも嬉しげにお手伝い。


「おねーちゃんかわいー」

「おねーちゃん。すっごーい」

 梅原先生がちょこちょことお手伝いしてくれている。

「すいマセーん。デモ後は運ぶだけですから、休んでらしてくださいネー」




「なぜ、こんな格好なんだ」

「先生は似合ってるので良いと思います」

「平山さんも、……似合っていると……」





「「はぁ」」


 平山さんの格好は灰色のハイネックロングワンピースに白エプロンを合わせたメイド風。

 梅原先生は臙脂に白い羽の散った変形和装。髪を飾るリボンは臙脂と黒の羽型。

 天音ちゃんには軍服ぽい桜色の上着に黒のホットパンツ。アクセサリーに黒のベレー帽。

 あーやちゃんと一緒に楽しくチョイスの結果ですね。

 三人ともとても素敵です。

 ちなみにミアちゃんとノアちゃんはお姫さま衣装です。


 親バカと言われてもとてもかわいいですー。


「いま、服は洗濯中だから。帰るころには乾いてると思うわ。そのまま帰ってもいいと思うけどねー」



「う、梅原先生。そ、その格好はっ」


 黒地に白のラインが踊る着流しに身を包んだ清水先生は違和感がなかった。

「お、お前こそその格好は何だ!」

「え。服が乾くまでって、鎮君たちに渡されまして。北さんは置き着替えがあるとかでなんだかずるいですよねー」


「センセーたち後で記念に写真とろーよ」

 涼維がにこにこ手を振る。


「涼維ちゃん、」

「なに? かあさん」

「ママねー。事前に了解を取らない盗撮はダメだと思うノー」

 小型カメラを取り上げておく。

「これから微妙な季節になっていくですし、ダメダメですよー」

 水着のお姉さんたちにとって不愉快な盗撮は天敵ですからね。



「めしー」

「あ。北さん。そのコロッケと焼き鳥は独り占めイケマセヌーー」



 お疲れ様会はにぎやかに過ぎてゆく。

 珍しく、あーやさんもずっと食事の場にいて笑っていて本当にいい日だなと思いました。




 ◇



「なぜ、こんなコスプレ衣装がココに? いや、嬉しいんですが」

「んー。コスプレグッズネット販売してるから? 梅原先生、やっぱり和装系似合うねー。あ、清水先生もそれ似合ってますよ」



最後は清水先生ご褒美になったでしょうか?

きっとツーショット写真も撮影されたと思われます。

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