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12/8  準備中。

 届いた国際便を部屋に引き込んでガサガサ開ける。

「涼維、頼んだの入ってる?」

 ベッドに寝そべったまま隆維が聞いてくる。

 送ってもらった荷物は箱ふたつにまとめられている。

 目的の箱を見つけてホッとする。

「あったよ。うん。こっちもある」

 チラチラ見てると封筒が入っている。

「手紙だ。目録かな?」

「んー。後で見せてね」

 ベッドの端ににじり寄りながら、箱に手を伸ばす隆維。

「落ちるよ。待って、一個出すから」

 落ちそうな隆維を止めて箱をそっと開ける。

 箱の中にはもうひとつ紙箱、それを開けると木製の箱が出てくる。ブラウンの艶出しとクリスマスリースの彫刻がされた箱だ。

 傷をつけないように開けた箱の中にあるのはビロードに守られた銀色の懐中時計。開けると今年のクリスマスの日付。『20131225』そして『0/50』

 まぁこの中に50個もないけどね。

 時計は金色の繊細な歯車が見えるスケルトン仕立て。

 箱の中には揃いの銀鎖と蓋とほぼ同じサイズの透明なパーツ。


 嫌な予感がした。


「隆維。もしかしてこれってさぁ」

「うん」

「組み立て作業あったりする?」

「うん」

「マジ!? もっと早く届くように発注しようよ!」

 えーっと青空家に六つ。ウチって言ってもみあのあにはまだ、…………とーさんと叔母さんたちは省いていいよね!

 九つ。

「で、雪姫ねーちゃんにペアで渡すんだー」

「じゅうななこ、加工すんの?」

「そう。で、乾燥に三日掛かるってじっちゃん言ってた」


「マジ!?」


「うん。マジ」

 呆然と家族枠クリスマスプレゼント用加工箱を見つめる。





   じゅうななこ


          乾燥に三日。


 今日は十二月八日。

 締め切りは十二月二十四日。(自分ちだから深夜二十八時くらいまではごまかせると思う)


 金額制限のある友人用プレゼントとかもあるのにと思いつつ、天音ちゃんとメグくらいかなとも思う。

「涼維はいろいろお世話になった恵美先輩とかどーすんの?」

「え!?」

 なんで先輩の名前が出るの!?

「そこの赤いモチーフとって。そ。そのエンジェルウィング」

 パーツを受け取ると隆維は体を起こして透明パーツの上にモチーフを配置する。

 一対の緋色の翼がハートを描くように置かれている。

「涼維。クリアシール入ってるだろ?」

 言われて探すとすぐ見つかった。

 クリアシールで位置がずれないように固定。

「ほら。これで固定だ!」

 隆維が嬉しそうに声を上げる。

 すごいね。と言いかけて、止まる。

「手慣れているね」

「あ」

 スッときまずげ視線をずらす隆維。

「ねぇ。明日も休みとかってどうか、だよね?」

 最近週明け不調続いてるよね。

 周りは気候の変化かなって思ってくれているけどね、高橋先生はちょっとあやしんでるポイんだけどな。

「えっと、これをヒートかけてから、蓋に貼り付けたら出来上がりなんだよ? ほら。ちょろいだろ?」

 ソウだねとため息をつきながら『50/50』と小さく書かれているケースを開ける。

 この懐中時計の色は鈍い赤銅色。透明なパーツと雪姫さんをイメージして~といいながら配置していたスワロスキーを渡す。

「まぁ、これだけやっちゃえば? ヒートって簡単?」

「サンキュ。うん。……簡、単だよ。涼維、ピンセット」

 ピンセットを器用に操ってスワロを花びらと見立てれるように配置していく。

「涼維、クラックケースの水色」

 こうなると俺はマジ助手扱いだなと思う。

 クラックケースには衝撃や扱いミスで欠けたり、ヒビが入ったりした、それでも捨てるには惜しいと隆維が思ったものが入っている。

 差し出すとケースの中をぐるりとピンセットで混ぜて思うものを探す。

 こうやって集中してるときは体調に気がつかないらしいんだけど後でどっとくるんだよねぇ。

 困った奴。

「……これかな」

 大きくヒビの入った薄い水色のスワロ。

 ソレを真ん中に配置して隆維がカチカチとピンセットを鳴らす。

 苦笑しつつ、クリアシールを渡す。

 シールを貼るまでは動かさないように慎重に。

「で、きたー。固定完了!!」

 ちらりと時計を見る。

 イメージの決まっていた二つで四十分。

 包むプレゼントはその十七個だけじゃない。(うち二つは自分達用だから包まないけど)

「ねぇ隆維」

「うん?」

「十四日までにこっちの作業は終わらせようね」

「おう! 無理しないように、だろ? 少し休むね」

「うん。寝てて、片付けたらおやつと飲むものもってくるからさ」

「うん」

 のそのそと布団の中に潜るのを見守ってから、布団の上におかれたふたつの懐中時計をそっとケースにもどし、蓋をする。

 スワロやモチーフを配置したパーツはそれぞれのケースの上にわかるように置いて、準備してある作業用置き場において埃除けと隠蔽用の蓋をしてしまう。

 細かいモチーフパーツや、スワロは置き場にもどす。


 そして、開封確認を待つ荷物を見て少し、げんなりしたのは内緒!




雪姫ちゃん


霧島恵美先輩


高橋先生


豊栄巡クン


話題思考等でちらり借り


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