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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
五月・六月
29/823

栃の木の広場

少女たちとたどり着いた場所は大きな樹が2本。

木の根を踏まないように距離をとって敷かれたレジャーシートと重り代わりのクーラーボックス。

クーラーボックスの中からドリンクを取り出して少女たちに飲ませる。

樹を見上げながら、「おおきい」「大きいね」と繰り返す少女たち。

私はどきどきする。

「この樹なんの樹」なんて聞かれたら、答えられないし。



山道を私たち小学生引率組より遅れる事20分。

ぐったりした大人組が到着した。

「さなえさん、お弁当ー」

「エネルギー切れ、2名。至急水分とエネルギーを補給させるべきだと思われます!」

「水分は飲ませてるから要休憩とカロリーだろー。涼維は大丈夫かー?」

「くだり、大丈夫か?」



「「……」」


「な、何とか。水分、ください」



涼維さんだけは何とか反応して水を求める。



「ペース、配分が悪かったかなぁ?」

「元気な子に合わせるのは間違ってたと思うわ。あっちゃん」

引率筆頭がすごく適当だ。


「んじゃ、梅原先生のお弁当いただきまーす」

やり取りの様子を見ていた、シズさんが楽しげにクーラーボックスに近づく。


「う、梅原先生のお弁当……」

「すごい。清水先生が復活した」

同じく様子を見ていた天音さんが呟くと

「愛の力だねー。すっごーい」

鈴音さんもはしゃぐ。

「胃袋をつかまれた愛の奴隷ね」

セリさんがポーズを付けて言う。

意味、ちゃんとわかってらっしゃるのかしら?


青々と茂る桜と栃の木(梅原先生が教えてくださった)を見上げながら遅い昼食をとる。

「無理をするなよ?」

梅原先生が心配そうに清水先生の様子を見上げている。

「大丈夫ですよ。不肖、この清水渉。先生の作ったお弁当を食べないなんてありえません!」

「む。ぅむ。そうか。無理はしないでくれよ?」


鯖そぼろのおにぎりを食べながら山の空気を満喫する。

なかなか乙な時間だと思う。

というか、

「三春さんも、いつまでも写生してないで、お弁当食べてくださいね!」


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