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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
五月・六月
27/823

デスロード編 商店街から山へ

「やっほー。デスロード中の皆様ー自転車チャリの整備は大丈夫ですかー。柳本自転車店。やなもとをよろしくー」

千秋兄の友人の女子高生菊花さん。商店街にある自転車やさんの娘さん。

「どこの政治家の演説だ」

千秋兄が突っ込む。

「ドリンクサービスでーす」

手渡されるスポーツドリンクの500ペット。

「ありがとうございます」

「柳本は家の手伝いか?」

「そうですよー。梅原先生と清水先生のうわさは聞き及んでいます。近々お祝いの品を卒業生有志で準備させて頂きたいと……」

「どんな噂だーー!!」

手もみをしながら菊花さんが笑っている。

梅原先生大絶叫。

おばさんが「梅ちゃんかわいいわぁ」と呟いている。






「マゾ清水の嫁は鬼小梅。小梅の旦那はマゾ清水」



ボソッと隆維が噂のふたつをリズムを付けて口にする。




いやぁ、隆維。時と場合を選ぶってコト知らないよね。ほんと。



テンポ良くて一度聞いたら忘れられないけどさ。







「仲が良くて何よりだよねー」




隆維の空気読まなさはきっと父さん譲りだ。


「菊花ちゃん、今年のコンテストは7月28日日曜日を予定してるから、ポスターが出来たら今年もお店に貼らせてね」

「はーい。とーさんに伝えときますねー」

「菊花ねえちゃんは出ないの?」

「5キロダイエットに成功したらねー。隆くん。まぁ、ダイエットしてないけどねー」





「ほら行くぞー」


父さんの合図で自転車はぞろぞろと進む。

気がつくと山辺が器用だった。

前かごに放り込んであるペットボトルを片手で取り出し、キャップ開封、そのまま飲んで、キャップを締めなおす。までを速度を落とさずに自転車操作しながらやっていた。

「山辺、危ないぞ」

「器用ねー」

梅原先生が注意する。

西に向け、自転車を走らせると民家が減っていく。

山が近づいてくる圧迫感。

「山辺」

「なに?」




「西の山には熊やあやかしが出るんだぞ」




「熊?」



あやかし発言はスルーらしい。

「危ない?」

「熊よけの鈴と、にぎやかに登ってこっちの位置を教えながら行けば大丈夫だよー。歌でも歌う?」

父さんも隆維も発言がいつも唐突。





「隆君、天音ちゃんに気が有るのかしら?」



ぽつっと背後でおばさんの声が聞こえた。


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