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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
五月・六月
26/823

デスロード編2 川沿いサイクリング

川沿いを併走しつつ空を見ればいい感じに曇り。

快晴でなかったことがとても嬉しい。


土曜の昼下がり河原で遊ぶ人たちが時々こちらを見て指をさしているのが見える。


うん。


小梅先生有名人。


「マゾ清水だー」


あ。違った。


「小梅の旦那のマゾ清水だー」


小学生らしき子供たちが清水先生を見て囃したてている。

チラッとそちらをみると真っ赤になってプルプルしている小梅先生に悪い感じにニヤついてる清水先生がいた。

「鬼小梅、外堀から埋められてる感じかな?」

速度をあわせてきた鎮が囁く。

同意見なので頷いておく。

と、いうか自転車を漕ぐにあたって、背後にいる人物。そう母親がものすごく気になる。

こういうイベントに出てきたの、初めてだよあの人。

セリは僕らよりまだ母親との接点が多いから素直に喜んでいたけど、僕なんかはすごく居心地が悪い。


「おやつ何作ったんだ?」


「携帯用はチョコチップクッキー。山犬寺の方用はイチゴとバナナのサンドウィッチ。簡単なものしか作ってないよ」


お留守番のミアとノアのためにも作ったから簡単でもばたばただった。



「あんまり、気にすんなよ。気まぐれな珍獣なんだから」

極、小さな声で自分たちの母親を珍獣呼ばわりする鎮の態度に苦笑いがもれる。

まぁ、変なことに意識を向けて体力を削ったらこれから先の地獄が持たないなとは思う。

変なところで兄貴風をふかす鎮。まぁ不愉快ではない。



気分、盛り上げていきますか。


「天音ちゃん」

声をかけて少し先を走らせていた天音ちゃんに追いつく。

ちなみに先頭はおじさん。


おじさん、隆維、涼維、天音ちゃん、僕に鎮で、その走りを見守るように先生コンビと母さんが走っている。


天音ちゃんはいわゆる妹属性の女の子のはずだ。

「お兄さんは今日は不参加?」

そぼくな疑問を投げかける。

「兄はうちで、ネットゲームしてるはずです」




え。何ソレうらやましい。



「あんまり固まって走るなよー」

後ろから小梅先生の声が飛ぶ。あわてて前後にずれる。そこそこの広さのある道とはいえ、追越しようや対向車、歩行者のことも考えれば並んで走るのはよくない。


そーゆー情報は登山ハイキング時に収集かなー。



体力は下山する時まで残しておきたい。







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