研究会2
「えっと、メインになる教室と教師。時々専門教室を借りれるように交渉して、メインの教室をとりあえず四教室キープ」
先輩がブツブツと口に出して確認しながら書類をまとめていく。
「交渉ってうまく行くんですか?」
昼間の生徒の部活もあるし、管理の問題もあるので専門教室を借りるには神経を使う。
学生時代水泳の授業があったのは二年間だけで何か諍いがあったのか、純粋に生徒数がいないせいなのか、三年目からはプール授業はなくなった。
「んー、協力的だから初年度は大丈夫。問題が起こればそこから使用禁止とかもあり得るけどね。最初の年は単位的に使っても三クラス。プレ時はひとまとめで編入組になる子には少し不都合をのんでもらって、って、どうしたー?」
「問題が起こればですか」
「窃盗と喫煙は問題になりやすいし、方向性的に接触か非接触かの方向性も決め難い感じだしなー」
真面目な子も自暴自棄で苛立ってる子も捨てた学歴がネックになって学びに来ている事実が面白くないという大人も純粋に学びを喜ぶ年配の生徒も混ざっている。
成人の生徒の中には喫煙してしまうものもいて問題になりやすい。未成年でも多いのも実情だ。
「あの」
「不安がってても仕方ねーし」
乱暴に切るような口調。調査根回しをしていた先輩がこのへんを気にしていない訳もない。
「はい。ただ、昼も定時も関係なく、同じ『うろな高校』の生徒として仲良くできるといいですよね」
「……そうだな」
「あのプレオープン時って」
「夜の部だけだよ。生徒数とその動向つーか来やすい時間とか考慮にいれるっつってもさ、プレと初年度は夜の部オンリー。補習授業を昼間に希望されるなら土曜日授業を昼間に教室借りてやる感じになるんじゃないかな?」
「あー、一時間目遅刻確実な人への救済授業ですか」
「そぅそぅ。単位足りなくなっちゃうからねー」
先輩が書類をまとめながら首を傾げる。
「まぁこの町面倒見のいい人多いから、何とかなるかなー」
先輩の言葉を聞いて、先輩もこの町に人なんだなぁと思う。
たぶん、言ったら笑い飛ばされる。
「あ」
「どうしたー?」
「会長がしばらくはゴシップ厳禁だから身辺整理つけとけって伝言です」
先輩が固まる。
「……先輩?」
「よ、四回目のプロポーズいってみるかぁ」
相手いるんだ。
「なんてプロポーズするんですか?」
かっこいい。
「こっちで仕事ちゃんとスタートするし面倒だから入籍しねぇ?って」
………
「先輩。それ間違いなくフラれます」
「なんで!? 間違いなくラブラブなんだぞ!?」




