6/15 デスロード編1
山辺大人組三春視点。
待ち合わせは中央公園。
中央公園からは自転車でうろな裾野まで。
川沿いの道で気持ちよく走れるコース。
中央公園から小学生組はうろな高原まで電車移動。
栃の木と桜のそびえる開けた場所で少し遅めの昼食。
昼食とおやつは持ち寄り。
僕と、さなえさんは小学生組の引率と、収集したお昼を運んだり、おやつを山犬寺に持っていったりと雑用担当だ。
さなえさんが引率のメインで、荷物運搬が僕の仕事って感じかな。
ちなみにうろな裾野で降りることになる自転車は近所の人が預かってくれることになっている。
突発参加者の先生二人の自転車は自転車屋の人が回収、預かりになるらしい。
あの開けた場所へ至る道はつい最近、人が手を入れたばかりらしく、獣道が開け始めた感じ。
嬉々として北おじさんが道の定着に努めていた。
天気がいいので僕も時々その道を通って桜を見に行く。
だから、今日も楽しみだ。
僕のメインはあそこに行くことだから。
「やっほー。べるべるー」
プラチナブロンドのポニーテールの少女が黒のポニーテール少女に声をかける。
「セリちゃん。今日も元気だねー」
「ふふん。当然。で、あっちがうちのお兄ちゃんたち、でねー、あっちがおかあさんー」
プラチナブロンドの少女が嬉しそうに笑う。
「はぁい。今日は一緒に走るからよろしくね」
ほんのり色素薄めの栗色の髪をアップにまとめたまだ若い女性。
はきはきと明るい印象だ。
「日生さんはいっぱいいるから下の名前で呼んでね。あーやさんでいいわよ。あっちのおっきいのがシズとアキでーちっこい方がりゅーいとりょーい。疲れちゃったらどれでもいいから乗っちゃいなさい」
小さいといっても天音と同じ中学生のはず。
「山辺天音です。山辺さんも今日は多いので天音と呼んでください。あっちのお兄さんは叔父さんで三春。あっちで支持を受けてるのがおじいちゃんの弟の北叔父さんです」
軽く頭を下げておく。
鈴音ほどう挨拶したものか悩んでいたようだが、ぽつッと名乗っていた。
「すずねです」
天音が少し心配そうに見ている。
それが増長させる甘やかしなんだがと思いはする。
「鈴音ちゃんと天音ちゃんねー。よろしくー」
「おかあさん、べるべるだよ。べるべる」
「こんにちは。日生さん。遅れましたか?」
「だいじょーぶよぉ。清水君、ぁあ。梅ちゃん、今日もかわいー」
嬌声をあげ、梅原先生に抱きつくあーやさん。
回収しようとする清水先生にじたじたと抵抗する梅原先生。
なんだかぐだぐだ感がある。
「げ。鬼小梅!」
「何で先生たち?」
「デートにデスロードとは趣味が悪いと思う」
「梅原先生、お弁当はこっちでいったん集めてますよー」
大小日生兄弟が口々に中学教師陣に反応する。
「主催者のあきおじさんでーす。今日はとりあえず、やりきりましょう」
えっと、主催者のあきさん、
シズ、アキ、リューイ、リョーイ、セリの兄弟に母親のあーやさん、ここまでが日生シリーズ。
それに中学校の清水先生と梅原先生。
うちからは、さなえさん、北おじさん、僕、天音鈴音姉妹。
ついでに言うと、なぜか小柄な梅原先生を清水先生とあーやさんで取り合っている。
その光景に少し、セリちゃんが寂しそうではある。
「先生方はどちらのルートなんでしょう?」
さなえさんが確認に問いかける。
梅原先生受難の回?
まだまだ続きます。




