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それは11/29の夕方のこと。

 砂浜で打ち寄せる波を見つつ会話をしている男子高校生二人組。

 少し近づいてみると問答をしているのが聞こえた。




「体調はー?」

「ばっちりだ」



「恥じらいはー?」

「……とりあえず忘れる!」




「段取りはー?」

「任せたっ!」



「フラグはー?」

「終わったらデートの企画立てるんだ!」



「それじゃ、本番でねー」

「ああ。ちゃんと飯食えよー」



 微妙な問答だった。

 少し背の低い方、そういっちゃんが俺を見て軽く手を振る。

「おやすみ。風邪引かないようにね」

「うん」

 通りすがりの会話。

 残された鎮兄が気合を入れてから俺の方に近づいてくる。

「もう寒いし暗いんだから風邪引くだろー。ほら、帰るぞ」

 そう言ってマフラーをかぶせてくる。

「明日、楽しみだな!」

「うん。小梅先生きっと綺麗だよねー」

「えー? かわいいの域から出れんのかぁー?」

「女の人は化けるんだよ? それにやっぱりお嫁さんは特別じゃないかなー」

 鎮兄はふぅんと呟きながら空を見ている。

 その手は俺の髪をぐしゃぐしゃにしてるんだけどね!

「じゃあ、試合見れなくて悔しい思いした隆維はちゃんと休んで明日に備えないとな」

 にんまりと覗き込んでくる。

「今日も添い寝して欲しいか?」

 むかついて殴る。

「本番でとちっちゃえ!」

「コラ! なんてコト言うんだ」

 ぐりぐりと頭にあごをのせて攻撃してくる鎮兄。

 押さえ込まれて逃げられない。

「涼維ー」

「あー。鎮あにぃ。隆維イヤがってんじゃん!!」

「いやいや、隆維がだなぁ」

「年上で、お兄ちゃんだろー鎮はー」



 明日。

 楽しみだな。


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