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11/5 下校前

「なんか、ペースダウンする前の鎮さんみたい」

 涼維が隆維の荷物を教室に取りに行っている間の会話。

「天音、その転落フラグやめろ。体調崩したから、把握しようとしてるだけだって」

 素直な私の感想に転落フラグとまで言い切る隆維。

 休み明けで周りの心配を減らそうとしているのか、ほんのりテンションは高め。

 でも、それで体力削ってたら意味はないと思う。

「限界チェック?」

「違うって」

 苦笑いで手をぱたぱた振る。

「そうかなって思ったの」

 限界トライアルしてみてるのかなって。

「ふぅん。あ、天音のお父さん、結構いい人だよな」

「パパ? うん。ありがとう」

 あんまり、いい人って言われないけどいい人だとは思う。おじいさまや公には『詰めが甘い・抜けが多い』とダメだしされ放題だけど、いい人ではあるんだよね。

 おじいさまは基準高いし、公もそれに合わせた評価法だし。

「でもさー、娘はやらんって言われたー」

「そうなんだ。今のお仕事相手の人と、プライベートでも付き合うことになるのが嫌なのかなぁ。いまいち好きではないっぽいし」

 パパ、何を言ってるの?

 だから、ダメだしされるんじゃない。

「うわっ。ぱてぃ嫌われてる」

「ぱてぃ?」

「うん。ちっちゃい頃、父さんが学生してたから、かわりにお父さんやってくれてたんだよ。そん時に呼んでた呼び名がぱてぃ。ラフって呼ぶか、おじさんって呼ぶべきかもしれないけど、やっぱ、ぱてぃはぱてぃだしー」

「今日はよく喋るよね」


 珍しい。


「伝えなきゃ伝わらないだろ? 伝えたい。関わりを大事にしたい相手だから言葉選びって大切かなぁと」


「そう」


「天音は、聞きたくなくなったり、不愉快だったりしたらきっぱり言ってくれそうだから安心してしゃべれる」

 にっこり笑っていう姿は、裏なんかありませんと主張しているようであやしい。



「今日は途中まで一緒に帰るって方向逆なのに?」

「宗兄さんのとこによる用事があるから」

「そっかー。幸せってなんだと思う?」



!?


「なに?! その唐突さは」

「え? ちょっとした疑問」



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