11/5 雨の朝
「おはよー。天音ー」
「おはよう。隆維君」
挨拶して気がつく。前髪が邪魔なのかヘアピンで留めている。
「ひっさー」
「うん。もう大丈夫なの?」
「見ての通り、平常運転」
「涼維君は?」
「さぁ、置いてきた。早く天音に会いたかったから」
「ところで、隆維君のクラス、隣だよね?」
「んー。うん。だから天音に会いに来たんだって」
「隆維!」
慌てた感じで軽く息を切らせ、大きめな声で呼ばれて、教室の視線が涼維に移る。
「おー。涼維ー」
「病み上がりなんだからあんまりはしゃがないでよ。教室にカバン、おいてきたから。気分が」
「悪くなったらすぐに言って、体育や無理な運動はさける。もう、飽きるほど聞いたよ。涼維は心配しすぎ」
言葉を遮って、続きをジェスチャー付きで俺が続ける。
「でも!」
なおも続けそうな雰囲気。教室の誰かが時計を指差した。
「そろそろ戻るなー。じゃあまた後でー」
天音の席の前からはなれて、手を振る。
ついでに時間を教えてくれた相手にも手を振っておく。
軽く呼吸を整える。
久しぶりの教室ってちょっと新鮮。
クラスのメンバーが増えてるわけでも減ってるわけでもなく、あいも変わらぬ日常。
「おはよー」
「おはよう」
特に誰へという指定のない朝の挨拶。
きょろりと特定の相手を探して近づく。
「メグー。涼維に余計なこと吹き込まれなかったかー? んで、おはよう」
「おはよう隆維。挨拶は後か」
「おう」
あきれたようなしかたなさそうな。
「涼維が過保護なんだよー」
「休んでた期間長かったんだからしかたないかな。めまいとかしたら隠さないでね」
「うわ。そんなこと吹き込んでいったんだ」
まぁ雨が冷たくて、来るだけで意外と疲れたのはあるけれど、大丈夫。なのになぁ。
「昼休みには清水先生に勝利祝いを伝えなくてはっ」
「いってらっしゃい」
「えー。一緒に行こうよ」
メグは少し『なんで?』という表情を浮かべているが、付き合ってくれる。
少し、期間が空いてるけど、これはやっぱり直接伝えたいよね。
豊栄巡くんお借りしました。
清水先生話題でお借りしました。




