日生さんちのお説教2
6/11夜。
「あー。おとーさんの話が流されてるなぁ」
おじさんがにこやかに言う。
目が笑ってない。
「ごめんなさい」
「まぁ、芹ちゃんも鎮も友達が増えたのはいいことだけどね」
「うん。おうちまで一人に帰れないのは道が消えちゃったからとかって面白いコト言う子なの!」
芹香が楽しそうに喋る。
よっぽど面白い展開だったらしい。
聞きたいし、本当はとめたくないんだけどね。
鎮をみると小さく頷いてきた。
後で鎮にも状況聞こ。
「芹香すとーっぷ。ちょっと待ってね」
芹香をとめると鎮がおじさんに視線を合わせる。
「おじさん、今回の決定事項は何ですか?」
水着美女コンテスト、実際のところそろそろ恒例行事としては安定してきているし、地元宿泊施設や飲食店からの協力も初期より増えている。
それほど積極的に僕らが誘う必要性もなくなっているのが実情のはずだ。
マジ年々盛り上がってる気がする。
旅館の娘さんが強制参加で泣いてたな。今年は大学行ってるけど帰ってくるのかな?
同年代やチビッ子に「ガイジン」って言われることも減ったしね。
いまや「海の家の日生兄妹」と名物のように呼ばれることはあるが基本好意的。
受け入れられるようになって、協力者が増えて、いいことなんだけど、おじさんに空き時間が増えたらしい。
そう、おじさんが暇をもてあますことだけは困る。
「勧誘禁止。それと、心身ともに鍛えよう。海の家からうろな裾野までサイクリング。南方面には今回向かわない。うろな山ハイキングを経て、うろな山下から森を眺めながらジョギング。海の家まで帰ってくるコースの予定でどうだい?」
なに?
そのデスコース。
しかも何うろな一周より楽だろうとばかりにいい笑顔なの?
どうだい?って、絶対決定事項だよね?
聞いてないよね?
隆維と涼維の顔色が悪い。鎮も渋い表情だ。
僕? 絶対顔色悪いと思う。
「今回は遠泳は省いておくから。それに他に参加者もいるからね」
誰だよ。その物好き。
死ねる。
その前に鍋島さんにお菓子差し入れとかないとな。形見代わりの遺言とともに……
鍋島サツキちゃんお名前だけですが借りてます。
進行遅れてますのでトライアスロンもどきは週末15日、ばたばたします。
マジ清水先生参加でしょうかー?(どきどき




