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10/19  文化祭二日目

早川英

文化祭二日目。

部活に入ってない占い小屋の内装監督を終えて時間に余裕のある山辺を泣く泣く捕獲する。


「頼む。料理部の臨時スタッフやってくれ」

 夏の海の家で手伝っていたと言う実績を誇る山辺は軽く首を傾げてから快く頷く。さわやかかつ腹黒そうな笑顔に乗せて。

 ああ、こいつにだけは頼みたくなかった。

「いいよ」

 ああ。あとで何を要求されるんだろうと思うと胃が痛い。

「早川君のような友達ができて本当によかったよ。僕で力になれるのなら喜んで」





「でかしたー。すぐりーん」

 麻衣子ちゃんと菊花ちゃんが絶賛してくれる。すぐりんって呼ばないで。

 料理部にあてがわれている場所までの記憶が飛んでいる。

 きっとたいした会話はしてないだろう。

「昨日はちょっと大変だったからね。よろしく。宗一郎君」

 のんびりと千秋先輩が笑う。

「はい」

「よーし頼むぞー。昨日と同じように問題は起こさないように。火と油の取り扱いには細心の注意だぞ。村瀬、日生。あとは、あーがんばれ」

 顧問の海老名先生が諸注意をしてから「忙しい」と言って出て行く。


 軽食処『うろ菜』オープン、二日目。

 どうか、岡本さんの『王子様』熱が少しでも冷めていますように。


 メニューはシンプルで単純なものばかり。

 下準備を事前に済ませて注文を受けて温める。どこかコンビニのホットフーズ販売を連想する。

 

 梅しらす・鮭・鶏五目という三種のおにぎり。

 栗とかぼちゃのコロッケ。

 岡本さんでも参加しやすいと言う理由でホットケーキミックスを使ったドーナツ。

 白玉ぜんざい。カットフルーツとクリームを挟んだフルーツサンド。


 ドリンクは基本ペットボトルだが、特製ロシアンジュースは外せない。

 「リオ王子がー」とちょっと岡本さんが舞い上がったり、文芸部の香月先輩がロシアンジュースであたりを引いて噴出して他の二人に引かれていたり、顔を出した旧姓梅原先生にみんなして料理を差し出したり。

 千秋先輩も梅原先生や個人的に親しい人には『特別』とばかりにクレープを作って差し出していた。

 にぎやかでばたばた。

 高校はじめての文化祭は楽しい思い出で幕を下ろした。



 山辺に借りを作ってなんかいないんだ!




文芸部、梅原先生、天波さんそろっとお借りしました。

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