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10/16 雨 放課後の逢引?

「来てくれてありがとう。場所はすぐわかった?」

 神妙な表情で頷く白い髪。

 稲荷山君。『鍋島サツキ』の幼馴染。

「こんな場所あるんですね」

 場所は旧水族館近くの洞窟めいた場所。

「まぁね。あんまり人は来ないかなぁ」

 少し、気まずい沈黙。


 カンテラ型のLEDライトが煌々と洞窟内を照らす。

 洞窟特有のあやしげな空気はない。

 まじLEDライト明るい。


「サツキさん、どうしてこんなことになったのかな」


 気まずげにいずらげに少し視線を下げる稲荷山君。

「避けられていたのはわかっているけど、きついよね」

 呼吸を整えて稲荷山君に視線を合わせる。

「幼馴染だったって聞いてる。稲荷山君は大丈夫かい?」


 なぜか少し驚いた眼差しが向けられる。


「稲荷山君?」



「高校ではカウンセリングがあるってきいてどんなのだったのかなと」

 少し首を傾げる。

「学校のカウンセリングは受けてないよ?」


「ヒトには助けてもらったけどね。それに……どちらにしても自分で道を見つけなきゃいけないんだ」


 思うところがあるのか、下を向いている姿。握り締められた拳が震えている。

「稲荷山君から見たサツキさんはどんな人だった?」

「サツキは」

「あ、呼び捨てなんだ。うん。幼馴染だものね。うん……つづけて?聞きたいんだ」


 気不味い沈黙。



「稲荷山君? 喋りにくい?」


 ひとつ息を吐く。

「あのね、気を悪くしないで欲しいんだけどさ」


 視線を向けられたのを感じつつあらぬ方向を見る。


「稲荷山君はサツキさんや年上の色っぽいおねぇさん、それとクラスメイトの芦屋さん、クトゥルフで手伝いをしている狐坂さん、それにうろ南の双子ちゃんで。え、えっと、ハーレム作っているとか噂になっ」

「何だそれーーー!!」


 顔が近いっ!


 あんまりのショック発言だったらしく、詰め寄られた。


「噂だよ。違うんだね」

「当たり前だ!」

 吐き捨てるような口調。まぁてれている可能性もあるし、この今の時期に突つくのも本来はしたくない。

「じゃあ、違うのはどこからどこまで?」

 少し考え込む仕草で見上げてくる稲荷山君。

「本当にそれに興味があるんですか。日生先輩が?」

「……もちろん、興味がなければ聞かないよ。…………サツキさんが…………、ごめんね。なんて言っていいかまとまらなくて。随分と落ち着きはしたつもりなんだけど、まだダメだな。サツキさんとは稲荷山君の方が近しかったのに」


 数度目の長い沈黙。


「千秋先輩は葬儀には?」

「行かないかな。見たくないんだ。その空気の中に入りたくないんだ」

「そう、ですか」

「弱いんだよ。だから何事もなかったように振る舞うしかできないくらいに狡いんだ。だから行けない」















































「お疲れ様です。鎮先輩」

「えーっと」

「時々、殺気が」

「ゴメン。稲荷山君」


「葬儀、鎮先輩も?」

「ん? いくよ? にゃんこにお別れはしないとね」

稲荷山考人君

話題でサツキさん、千里さん、芦屋さん狐坂さんくるみるくお借りしましたー


カウンセリング停学中の人は受けようがないね

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