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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
五月・六月
17/823

補導? 遭遇。

平日昼間の商店街。

中学生

その日、俺はちょっとした達成感と共に始めての町を歩いていた。

うん。ちょっとした補導もどきに会うまでは。

それまでは視線は感じるが声をかけてくるまでには至らない感じだった。

シャッター街にはなっていない感じの商店街をふらふら見ているときに横手から声をかけられた。

「山辺? 学校きてた、よな?」

若い兄さんだった。外見はいい男系舐めたらまずい空気付。

ん、もしかして。


「天音ちゃんの学校の先生ですか?」



「ああ。山辺のドッペルゲンガーとかじゃないんだな」



面白い人だった。

学校の先生って結構個性派が多いと思う。



「双子の兄の公志郎です。昨日、引っ越し荷物の運搬の絡みでうろな町にきましたー。どっぺるじゃないですー」

自分の学校の先生でもないので軽く答えておく。自分の学校じゃないからこそちゃんとしろという担任の説教が聞こえそうだ。

「今日、学校はどーしたの?」

平日の午前中だ。当然の質問か。

えっと補導され中?

「妹が不登校はいってたので、オレはサボって妹の登校キッカケを作ってました。はい」

失笑をしていたが、先生は特にそれ以上は突っ込んでこなかった。

不登校してた妹をとりあえず登校させたという達成感ははんぱない。


「天音ちゃん、学校でどうですか?」

「ピリピリしてるかなー」

うまくいってるとは言ってくれない。

まぁ、昨日倒れてるしな。

「あー、今こっちに来てる兄妹たちって自分の立ち位置があやふやになってて不安ーな状態なんで、ちょっと様子見希望です」

軽く情報を流しておこう。



「公志郎さん! 車止めてきましたからごはんに行きましょう」

「あ。柊子」

「あら? 公志郎さん、こちらの方は?」

「天音ちゃんの学校の先生で……」

「清水と言います」

「はじめまして。保護者をしてます堂島柊子です。よろしくお願いします。あ、昨日は御手数をかけまして」

「いえいえ。いろいろ至らず、申し訳ないです」

「せんせー時間があるようなら一緒にお昼どーですか? 天音ちゃんの事聞きたいしー」


「え」


柊子が少し微妙な反応をする。

あれ?

何か問題あったっけ?




「水着コンテスト?」

その勧誘をする兄弟に変に懐かれたらしい。

天音ちゃん、変なのに懐かれた?

昨夜チラッと言ってた「りりちゃんズ」だろうか?

まぁそれは置いておくとして。

「柊子も出てみるー? 水着コンテスト。夏休みはオレもこっちで過ごすしさー。一緒に海ー。先生の彼女も見てみたーい」

ビストロ「流星」でご飯。雰囲気のイイ落ち着いた店だった。

さなえさん紹介らしい。

店主は清水先生と同じくらいだから若いと思う。

今まで柊子と行った店の中でもだんぜん若い。

なんだろう入ったときに不思議そうな顔をされた。

「みずぎ、こんてすと」

「もちろん、体の調子がよければだけどね」

「わかりました。柊子、コンテストに出ます」

「「おおー」」

清水先生と店主の人が拍手してくれた。

ぱっと赤くなって俯く柊子。

「あ。ケーキだ」

「公志朗さん、ケーキ、お好きでしょう?」

甘いものって幸せだよねー。

「こうしろう」「とうこ」と描いてある。

柊子は照れてるけど、時々、さなえさんがそういう手配するから今回もかな?



「おいしー」


天音ちゃんの学校にはイイ先生がいるのがわかって一安心。

家族にも距離があると失敗ネタを回さないからちょっと心配だったんだよね。

鈴音ちゃんの不登校が何とかなればストレスも減ると思うから、対応できるようになるといいなぁ。

清水先生、お願いします。って気分。


別れる時に実際そう言ったけどね。

「公志郎君、もしかして、ランチデートだった?」

別れ際、清水先生に聞かれた。


ビストロ「流星」 引き続き清水先生お借りしております

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