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9/15 快晴の日曜日

 どうしてこうなってるんだろう?


 日曜の朝から外出なんてありえない。


 で、どうしてウチの食卓で、二人は話し合い中なんだ?


 買い物途中で遭遇したと思ったらそのままついて来たんだけどさ。

 一人は昨晩ウチに泊まってるし。


 とりあえず、買ってきたお菓子と飲み物を出す。


「タケルやその関連に引っかかるなんてキャッチセールスやおれおれ詐欺に引っかかるよりタチが悪いから。似たようなものとは言え、本当に考えなしにもほどがあるよ。その上で、タケルにまで引っ掛けられるだなんて信じられない」

 つらつらと言葉を連ねる千秋先輩。鎮先輩はおとなしく聞いている。

「困ってるっぽかったしさ」

 ポツリと言い訳る鎮先輩。

「ソレ基本あいつらの自業自得だから。安易な金銭授与はマイナス要因にしかならないから」

 そう言ってため息を吐く千秋先輩。

「本当にあいつらをどうこうしようって言うんなら、一番は警察に連れて行くとか、罪状と向き合うことからさせなきゃいけないんだよ。鎮でうまくいったってアジをしめて繰り返した時に鎮は責任取れないんだし、まぁ、騙したやつが悪いんだけどさ」

 一息いれて飲み物に口をつける。

「と、いう訳で簡単にお金を貸さない。わかった?」

 あきらかに子供に言い聞かせるような言い方になっている千秋先輩。

 でも、僕も同じような口調で公にやられてるなー。


「んー。意識するようにする」

 微妙な返事に不満そうな千秋先輩。

「それが現金絡みの件ね」

 え?

 まだあるの?


「千鶴ちゃんがどうして日生の家の支援で高校目指すことになってんのさ」

 半眼で言い切り、軽く頭を左右に振る。

「支援とか家に下宿とかはいいんだよ? タケルんとこは勉強には向かないしね。問題はさ、なんで、家の者の認識が『嫁』か『愛人』なんだよ!?」

 バンとテーブルを叩く千秋先輩。

 それは確かに困った認識?

「あー。ほら、有坂って施されるのはイヤだって、いうじゃん? 千鶴ちゃんもタダで援助は受けれないってごねてなんか、気がついたらそういう流れに。問題なさそうだから、まぁいいかなぁって」

 まぁ。いいかなぁって。

 それ。ダメじゃないの?

「だから、母さんに頼んだんだよ。千鶴ちゃんの学資援助。記録取って将来ゆっくり返してもいいよって言えるようにって思ってさ」


「母さんが私学のいいとことか選んだら千鶴ちゃん逃げられないんだよ? 追い詰めかねないんだよ?」

 真剣な表情の千秋先輩の言葉に鎮先輩が思いもよらなかったらしく目を瞬く。

「えー。あー。どうしよう」

 のんきな感じで首を傾げる鎮先輩。

 危機感はない。

「その時は」

「その時はー?」

「籍だけ入れて暫くして離婚する。とか?」


 手元にあったらしい雑誌をきつく丸めて鎮先輩を叩く千秋先輩。


 鎮先輩。



 思った以上にアレだなぁ。

 悪気はなさそうだけど。



「あ。財産分与のために貯蓄作っとかないとまずいのか?! そこも踏まえて進路選択かぁ」


 あ。

 偽装結婚前提になってる。


 そのまま千秋先輩に「バカだろ。馬鹿だろう。どあほうだろう」と丸めた雑誌で叩かれている。


 防音の効いたマンションで良かった。



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