誘い
中学校編
「メグ付き合え」
「いやだよ」
あっさり断るとは……。
「別に恋人になれって言ってるわけじゃないぞ?」
「そんなのわかってるよ。っていうかそんな意図で言われたら友達もやめるよ」
「つれないな」
「涼維。こいつ何とかして」
「残念。次の授業が移動教室だから涼維はこれない。まぁ付き合うのは昼休みでいいからな」
それが六月十日月曜の朝、教室での会話だった。
なんだか北小から来た奴の視線が困惑してるっぽくて新鮮だ。
同じ南小から来た連中からの視線は「またか」って感じだしな。
メグ、豊栄巡。 中学に入ってからの友達だ。
涼維は「あんまりカモにしてやるなよ」と、わけのわからないことを言ってたけど失礼だと思う。
メグは付き合いやすいいい奴だ。
というわけで昼休みメグを引っ張ってとある人物を捜索する。
途中で涼維と合流、なぜか山辺も視界に入ったので一応気が変わってないかと勧誘しておく。
断られたけど。
涼維と打ち合わせてるうちにメグと山辺が挨拶をしてたようだ。
メグには挨拶するんだ。
ふーん。
「清水せんせーい」
涼維が対象を見つけたらしく声をあげる。
新任の先生だ。
新任だけど今回のターゲットに対しての有効性はかなり高い気がするのでこちらから攻略だ。
「お? どうしたー?」
「梅原先生の水着姿見たくないですか?」
視界の端で苦笑してる涼維。おもいっきり引いてるメグと山辺。
想像してるのか、表情がにやけそうな清水先生。
ベタ惚れらしいという噂は本当だったらしい。
ここからどう進めるかは涼維次第だ。
「ヒドイよ。隆維。最後まで責任を持って会話を続ける気は?」
ん?
「詳しい説明は涼維の担当だろう?」
何を言ってるんだ?
豊栄巡くん、清水先生レンタル中




